2019 Fiscal Year Research-status Report
Preparation of poly(ionic liquids) colloidal materials using microfluidic technology
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19K15340
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
渡邉 貴一 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (60743979)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マイクロ流体デバイス / 乳化 / 高粘性流体 / 単分散 / 高分子イオン液体 / イオンゲル微粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロ流体デバイスを用いた単分散なイオン液体液滴の乳化技術の構築とそれを鋳型として用いた高分子イオン液体イオンゲル微粒子の作製を検討した。まず、マイクロ流路として乳化時に分散相が壁に濡れない二重管型マイクロ流路を作製した。このマイクロ流路を用いて常温で高粘性なイオン液体分散相(イオン液体モノマー、光重合開始剤、架橋剤を含む)を乳化したところ、ジェット流を形成し、多分散な液滴が生成された。一方で、拡散溶媒を分散相に添加したところ、単分散な液滴(変動係数 10%以下)が連続的に生成された。また、この拡散溶媒は速やかに液滴から連続相に拡散するため、乳化直後に目的とするイオン液体液滴が得られることを確認した。続いて、流路内において乳化後の液滴に紫外線を照射すると、液滴内で重合が進行し、単分散な高分子イオン液体イオンゲル微粒子が得られた。この高分子イオン液体イオンゲル微粒子は、溶媒として疎水性のイオン液体を最大で50 wt%含有できることを確認した。また、熱重量測定より、このゲル微粒子は高い耐熱性(分解温度は約400℃)を有することもわかった。 次に、分散相と連続相の流量比を変更して同様のエマルション調製を検討したところ、連続相流速の増加にともなって、得られる液滴径が減少する傾向が見られた。この結果より、通常のマイクロ流路を用いた液滴調製と同様に、流量を変えることによって単分散性を維持したまま、ゲル微粒子の直径を制御できることがわかった。以上の結果より、マイクロ流路を用いた乳化において、溶媒拡散の機構を導入することによって、イオン液体のような高粘性流体も乳化できることがわかった。さらに、それを鋳型としたin situでの光重合によって、単分散な高分子イオン液体イオンゲル微粒子を作製できることも明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載したように、マイクロ流路を用いた乳化において、高粘性なイオン液体を乳化するための基礎的な知見を得ることができ、それを鋳型とした高分子イオン液体コロイド材料の作製と評価も実施できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
流路構造や送液方法を改良することによって、より粘度の高いイオン液体系の分散相を用いた乳化技術を開発する。特に、拡散溶媒を複合エマルション調製の中間相として導入した場合に、せん断様式がどのように変化するかを検証する。この有効性を確認できれば、より幅広い高粘性流体系で本技術が適用できるようになる。 また、分散相に貧溶媒を添加することによって、乳化後に液滴内相分離を誘起し、コアシェル型の高分子イオン液体マイクロカプセルの調製を検討する。さらに、そのアニオン種や架橋密度、膜厚等を変更し、カプセル膜の物質透過性を検証することによって、高分子イオン液体マイクロカプセルの物質透過性に関わる制御因子を明らかにする。
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Research Products
(5 results)