2020 Fiscal Year Research-status Report
CO2資源化を志向した高H2/CO2雰囲気に特化した逆シフト触媒の開発
Project/Area Number |
19K15349
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
藤原 翔 山形大学, 大学院理工学研究科, 助教 (70816628)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 火炎噴霧熱分解法 / Pt / CeO2 / 逆シフト反応 / CO2利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
CO2を原料とした化成品の生産は、持続可能性の高い社会の実現には不可欠である。合成ガス(CO+H2)は様々な化成品の出発物質であり、逆シフト反応(CO2 + H2 = CO + H2O)によりCO2からCOを得ることが出来る。比較的低温で高いCO2転化率を得るため、高H2/CO2比の条件下で、高活性かつ選択的に逆シフト反応に活性を持つPt/CeO2触媒の開発を試みている。 前年度では、火炎噴霧熱分解法により調製したPt/CeO2触媒が既存技術である含浸法で調製した触媒と比較して、逆シフト反応に対して高活性かつ高選択性を示すことを見出している。この高性能化には、担持したPtサイズおよび結晶性が関連していることが示唆されており、R2年度は調製した触媒の物性について各種分析手法により調査を行った。 FTIR測定において拡散反射法セルを用いて、異なるCO濃度雰囲気下にPt/CeO2を暴露し、PtへのCO吸着ピークを観察した。その結果、Pt担持量が低く、よりPtが分散していると予測される触媒で、CO吸着ピークがブロードとなり、Ptが高い分散または結晶性が低くなっていることが示唆された。 また火炎噴霧熱分解法により調製したPt/CeO2のCeO2径が5-10 nm程度と小さいため、商用のCeO2(10-25 nm)と比較して、低温での還元特性が高いことがTPR測定から明らかとなった。この還元特性も低温での高活性化の一因と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
FTIRによるCO吸着ピークおよびH2パルス吸着によりPt結晶性の評価を行ったが、火炎噴霧熱分解法で調製した場合、還元処理前の一部白金はPtO2として存在しており、調製中に揮発している可能性が示唆された。この揮発により担持したPtサイズや結晶特性の変化しうるため、調製時の粒子捕集法を改善する必要があることが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のとおり、火炎噴霧熱分解法において、粒子捕集を行っているフィルターの温度を低下させることでPtO2の揮発防止を試みる。
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Causes of Carryover |
R2年度の研究実績で記載のとおり、Pt種が一部揮発しており、仕込み量通りPtが担持できていない可能性が生じたため、R3年度にその対策を行う。
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