2020 Fiscal Year Annual Research Report
Bioplastic materials production with multi-phases segmented flow using a microreactor
Project/Area Number |
19K15350
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村中 陽介 京都大学, 工学研究科, 助教 (40756243)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | スラグ流 / マイクロリアクター / 反応分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、複合スラグ流の作成と一貫反応の実証を行った。高温・高圧条件下での[水1/油/水2/油]の複合スラグ流の作成を試み、流路の材質により安定に操作できる条件が異なることを明らかにした。特に、本研究において扱った[水1/油/水2/油]では、油相を抽出相として設定しており、親水性材質の流路を使用した場合は流路管内壁に水相の被膜が形成され、異なる水相が膜を介して混合することが明らかとなった。 複合スラグ流での一貫多段反応を実施するに当たり、各スラグの内容は任意に変更可能であるが、反応温度、圧力は流路内では基本的には同一となる。そのため、取り扱う2種以上の反応においてそれぞれの反応条件が大幅に乖離していては、本反応システムは適用不可能である。これを基に、HMFの酸化分解反応について、フルクトースからHMFの合成における条件との乖離が生じないような目的生成物・反応条件を探索した。結果、HMFの接触酸化分解によるグリコール酸の合成を検討することとした。 複合スラグ流を利用してフルクトースからHMF in 水相1、HMFの油相抽出/逆抽出、HMFからグリコール酸 in 水相2の一貫反応を実施した。結果、同様の反応条件において2相での反応率(反応速度)を上回るフルクトースの反応率と、HMF収率を上回るグリコール酸収率が達成された。すなわち、中間生成物であるHMFを随時抽出し、さらなる目的生成物へと転換することでフルクトースからHMFの反応速度が向上したことを意味し、複合スラグ流により多段反応/抽出を取り扱うことの有用性が実証された。
|