2021 Fiscal Year Annual Research Report
混合糖の取込能力の向上を指向した適応進化による高発酵性大腸菌株の創出
Project/Area Number |
19K15372
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
和田 圭介 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究員 (70828300)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大腸菌 / 実験室進化 / 代謝工学 / グルコース / キシロース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、自然突然変異を応用した新たな指向的進化システムの構築、およびそのシステムを使った、混合糖を同時に資化できる大腸菌株の創出に取り組んだ。微生物を利用した有用物質生産において、基質である糖の取込速度は目的物質の生産速度を決める主要因の1つである。木質バイオマス由来の糖化液に含まれる糖源のほとんどはグルコースとキシロースであり、グルコース存在下では他の糖の取込機能が抑制されるため、有用物質の生産速度の向上は見込めない。また、グルコースを含む混合糖の取込速度の強化に有効な遺伝子改変箇所は同定されておらず、人為的な同定および改変は困難である。そこで本研究では、自然突然変異の導入および蓄積を促進させるシステムの構築および活用を通して、混合糖の取込速度が強化された大腸菌株の創出に取り組んだ。 本年度は、昨年度までに構築した、グルコース(4種類)またはキシロース(3種類)誘導的な発現を示すプロモーター配列直下に蛍光タンパク質を配したプラスミドを用いて、最も大きな蛍光強度を示すプロモーターをそれぞれ抽出した(P-GlcおよびP-Xy)。蛍光強度の序列は、RNA-seqによる発現量データの序列と概ね一致していた。次に、P-Glcの直下に赤色蛍光タンパク質および細胞死誘導遺伝子、P-Xyの直下に緑色蛍光タンパク質および細胞死抑制遺伝子を配したDNA断片を構築した。さらにそれらを薬剤耐性遺伝子および大腸菌用のプラスミド複製起点のDNA断片と連結することで、指向的進化用のプラスミドを構築した。
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