2021 Fiscal Year Annual Research Report
The study on the spin-orbit perpendicular-spin spin current using magnetic materials
Project/Area Number |
19K15430
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
飯浜 賢志 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (70826073)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フォトスピントロニクス / スピン流 / 光誘起スピン流 / 磁化ダイナミクス / スピン軌道トルク / 光スピントルク |
Outline of Annual Research Achievements |
磁性体のスピン軌道相互作用を利用した垂直スピンを有するスピン流を生成させることは磁気記録媒体に有望な垂直磁化膜(磁化が膜面に対して垂直方向を向いた磁石)の低エネルギー消費での磁化スイッチィングを実現させるために重要である。その垂直スピンによるスピン移行トルクを評価するためには、垂直磁化(磁化が垂直方向を向いた状況)の磁化ダイナミクスを計測する必要がある。これまでの研究ではレーザー励起超高速減磁による反磁界の減少をトリガとした磁化才差運動励起を用いてきたが、垂直スピンを一番感度よく検出できる垂直磁化配置では磁化才差運動を励起することができない。このため、高周波な共鳴周波数を有する垂直磁化配置における垂直磁化膜の磁化ダイナミクス計測ならびに垂直スピンによる磁化才差運動変調計測を将来的に実現するためには計測手法原理の改善を図る必要がある。 今年度はその新規励起手法として光の進行方向に磁場やスピンを作ることができる逆ファラデー効果と光スピン注入効果に着目した。強磁性体/重金属(プラチナ、金)の二層膜構造に円偏光のポンプ光パルスを照射することによる磁化ダイナミクス励起を観測することに成功した。磁化才差運動の振幅, 位相の強磁性体層、重金属層膜厚依存性を定量的に評価し、強磁性体の逆ファラデー効果と重金属の光スピン注入効果の現象論的なモデルによる説明を試みた(S. Iihama et al. J. Appl. Phys. 131, 023901 (2022), selected as Featured)。実験結果の定量的議論から強磁性体の逆ファラデー効果、重金属における光スピン注入効果と二層膜界面に光誘起されるスピンの効果によって光の偏光を利用した磁化ダイナミクス励起を実現できることを明らかにした。この方法は垂直磁化における磁化ダイナミクスを励起する一つの方法になることが期待できる
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Research Products
(10 results)