2020 Fiscal Year Annual Research Report
時間超解像ディジタルホログラフィック動画像計測システムの創成
Project/Area Number |
19K15461
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
角江 崇 千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (40634580)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ホログラフィ / 高速度イメージング / 3次元計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
光波の強度情報だけでなく位相情報も計測可能なディジタルホログラフィは,顕微鏡下における動物体の3次元計測への応用が大きく期待される技術である。本研究課題ではイメージセンサの性能限界を超える撮影速度での計測を可能にする,時間超解像ディジタルホログラフィを提案,実証することを目的とした。提案手法はホログラムの周波数多重記録に基づく。ホログラム記録時の参照光の入射角度を高速に変調させるために,本研究課題では音響光学変調器を利用した。音響光学変調器のスイッチング機能により,異なる入射角度を有した二種類の参照光を,異なる時刻に生成した。各参照光により,それぞれ異なる干渉縞周波数を有したホログラムが形成される。参照光の変調速度をイメージセンサの記録速度の2倍に設定すると,イメージセンサで一回露光している間に,二種類のホログラムが積算されて撮像される。このホログラムをフーリエ変換により周波数解析すると,干渉縞周波数に応じて異なる位置に周波数スペクトルのピークが現れるため,フィルタ処理により分離できる。分離した角周波数スペクトル分布を逆フーリエ変換すれば,異なる干渉縞周波数を有した二種類のホログラムを再構成できる。つまり,一度の露光にもかかわらず,異なる時刻に形成された二種類のホログラムを取得できる。提案手法の原理検証として,毎秒10コマで撮影可能なイメージセンサを利用した。音響光学変調器により時間幅50マイクロ秒で切り出されたパルス状の参照光を,周波数20Hz,つまりイメージセンサの記録速度の2倍にてホログラムを記録した。等速で回転する円分度器を被写体とし,円分度器の目盛りの変化から提案手法の記録速度を見積もった。得られたホログラムに対する再構成計算により得られた動画像の再生速度が毎秒20コマに相当していたことから,提案手法の実証に成功し,ホログラムの時間超解像記録を実現できた。
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Research Products
(3 results)