2019 Fiscal Year Research-status Report
印刷プロセスによるナノコンポジットメタマテリアルの創製
Project/Area Number |
19K15469
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
穂苅 遼平 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (20759998)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 厚膜ナノ印刷技術 / ナノ粒子インク / メタマテリアル / 表面機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノ粒子インクで形成されたナノコンポジットメタマテリアルを実現するため、厚膜ナノ印刷技術の開発を進め、本年度は下記の成果が得られた。 (1) 複雑な形状を形成可能に ナノ粒子集合体の形状化による光学素子の研究は、従来自己組織化技術を利用したシンプルな形状に制限されていた。厚膜ナノ印刷技術を用いることで、複雑形状および厚膜形状のナノコンポジット/ナノクラスターメタマテリアルを形成することができ、これにより、従来の微細構造では得難い光学機能の発現が期待できる。本研究では、直径100nmのディスク形状、幅50nmのワイヤー形状のみならず、従来技術では形成困難な「コ」の字型、構造間の隙間が数10nm程度の「に」の字型など、複雑な構造を実現した。これらの構造は、ナノ粒子インクの種類は同じであっても、その形状に応じた光学特性が計測された。また、ナノ粒子の焼成条件による光学特性の違いに注目し、その立体構造の形状と光学特性の相関関係を検証している。 (2) 光学特性の制御因子の明確化に向けて ナノコンポジットメタマテリアルの光学特性の制御因子を明らかにすることで、光学特性の制御範囲を見積もることができ、その光学素子としての応用可能性の検討において有用である。来年度の実施項目を前倒しして、光学特性の定量的な評価に必要な計測系の構築を進めている。この定量評価データと構造データをシミュレーションに反映し、ナノコンポジットメタマテリアルのモデル構築を行うことで、応用素子に向けた設計指針を見出していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の目標であるナノコンポジットメタマテリアルの印刷形成プロセスの確立について、あらゆる形状のナノコンポジットメタマテリアルを形成する技術を開発することができた。2年目に予定している定量的計測に向けた予備検証に着手し、計測系の構築を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
光学物性の定量的な計測を行い、ナノコンポジットメタマテリアルの光学特性を決定する主要なパラメータを明らかにし、応用の方向性を検討する。
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