2022 Fiscal Year Annual Research Report
Accurate prediction of low-energy deuteron-induced reactions for development of small neutron source
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19K15483
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
中山 梓介 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 研究職 (30758610)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 重陽子 / 中性子源 / PHITS / JENDL-5 |
Outline of Annual Research Achievements |
d+Be反応の可搬型高速中性子源への適用性をモンテカルロ粒子輸送シミュレーションにより検討した。この可搬型高速中性子源は、橋やトンネル等のインフラ設備の主構成物質であるコンクリートのオンサイト非破壊検査への利用を目指したものである。シミュレーションには放射線輸送計算コードPHITSを使用し、シミュレーション中の核反応データには汎用核反応データベースJENDL-5を使用した。JENDL-5には重陽子サブライブラリとして、本研究で昨年度までに評価した重陽子核反応データが格納されている。 現在、ビームエネルギー2.5 MeVのp+Li中性子源が可搬型中性子源の有力な候補とされている。そのため、d+Be中性子の設計シミュレーションにおいては、取り出し口から供給される高速中性子束および遮蔽体側面での線量率がp+Li中性子源と同等となるよう、電流量や遮蔽体厚さを最適化することとした。 初めに、2.5 MeVのp+Li中性子源の例として、理研で開発されたRANS-IIの電流量や遮蔽体構成(材質・幾何形状)を模擬した中性子源に対するシミュレーションを行った。次に、ビームエネルギー1.5, 2.0, 2.5 MeVの各ケースにおいてd+Be中性子源のシミュレーションを行った。この際、前述のp+Li中性子源と同等の高速中性子束を供給しつつ、遮蔽体側面での線量率も同程度となるよう、電流量および遮蔽体厚さを最適化した。シミュレーションの結果、遮へい体の厚さを約1.5倍にすることで、可搬型中性子源の候補である2.5 MeVのp+Li中性子源と同等の性能を持つd+Be中性子源を、1.5 MeVや2.0 MeVといったより低いビームエネルギーで実現できる可能性があることが分かった。また、p+Li中性子源と同じビームエネルギー2.5 MeVでは、必要な電流量が半分以下になることも分かった。
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Research Products
(2 results)