2020 Fiscal Year Research-status Report
地層処分では変質は悪なのか？－ベントナイトの変質に着目した天然バリアの物性の解明
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19K15489
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| Research Institution | Tottori University |
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Principal Investigator |
河野 勝宣 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (60640901)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 地層処分 / ベントナイト / 化学的変質 / 膨潤圧 / 透水係数 / 隙間充填性 / 粘土鉱物 / 巨視き裂を含む岩石 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は前年度の研究を継続するとともに，種々の溶液に浸漬させたベントナイト系材料の膨潤特性と透水性に関する研究，アクリルを用いた模擬き裂へのベントナイトの充填性に関する研究，粘土鉱物を混合した人工軟岩の物理・力学試験，粘土鉱物を充填した巨視き裂を含む花崗岩の透水性に関する実験を実施した．特に今年度は，ベントナイトの変質による変質鉱物（主に粘土鉱物）そのものの膨潤特性や透水性とKozeny-Carman則による評価，長期間のベントナイトの一次元隙間充填性について詳細に検討した．
その結果，各種粘土試料の膨潤圧および透水係数が粘土鉱物の比表面積の大きさと密接に関係していることがわかった．また，Kozeny-Carman則による透水係数を算出したところ，実験による透水係数と比べて大きな差はなく，比表面積と間隙比を用いて透水係数を推定する際には，Kozeny-Carman則は締固めた粘土試料においても有効な手段になり得ると結論付けた．さらに，透水係数に及ぼす動水勾配の影響についても定量的に明らかにした．今後，比表面積の大小による吸着水の量，それに伴う間隙水圧の発生と膨潤圧との関係について，定量的，かつ，総合的に明らかにする必要がある．180日間の変質ベントナイトのき裂充填性試験では既往の研究と概ね同様の試験結果が得られるとともに，変質のタイプの違いにより，充填距離も異なることがわかった．さらに，含有する粘土鉱物の膨潤の有無が岩質材料の物性変化に及ぼす影響について検討し，特に，岩質材料の強度低下に及ぼす含有粘土鉱物の影響について，湿潤時の供試体に発生する膨潤圧の差から考察を試みた．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は，ベントナイトを種々の溶液に浸漬させて変質反応促進を施した変質ベントナイトおよび粘土鉱物単体試料を用いて，計画通り，一次元膨潤圧試験および定圧透水試験を継続した．変質ベントナイトおよび粘土鉱物そのものの膨潤特性や透水性について，各種分析結果を用いて粘土鉱物学的観点から考察を行った．また，長期間の変質ベントナイトのき裂充填性試験を実施した．試験方法等，今後の検討課題が浮き彫りとなったが，結果は既往の研究と概ね同様の傾向を示しており，最終年度において，変質のタイプの違いと充填性の関係について，膨潤特性や分析結果も含めて総合的に明らかにできると考えている．以上のことから，当初の計画通りの成果を得ることができ，これらの成果は，国内外における学会で報告するとともに，複数の学術誌に論文投稿中である．以上より，本研究は概ね順調に進展しているものと考える．
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| Strategy for Future Research Activity |
2021年度は，前半部分は，変質ベントナイト系材料および締固めた粘土試料の膨潤特性・透水性・隙間充填性，人工軟岩の乾湿繰り返し試験，粘土で充填された巨視き裂を含む岩質材料の透水試験について，前年度までに取り残した実験等を継続する．得られた実験結果・分析結果を総合的に考察し，人工バリア材（ベントナイト）の性能劣化に及ぼす変質タイプの影響を明らかにするとともに，変質ベントナイトの亀裂閉塞による岩盤の性能向上の関係性を明らかにする．
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| Causes of Carryover |
（未使用額が発生した状況）
次年度すぐに実験を効率よく進められるように，実験材料（岩石）を年度末に購入したが，試料をまとめて購入したことにより，経費を節約することができたため，未使用額が発生した．
（次年度における未使用額の使途内容）
今年度，装置・試料を長期間水浸させて行った実験において，装置の一部の部品の劣化が大きく，予期しない交換が必要となったため，未使用額はその経費に充てることとした．
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Research Products
(11 results)
