2020 Fiscal Year Annual Research Report
Application of Acoustic Emission Technology for Monitoring and Control of Gasification Area in Underground Coal Gasification
Project/Area Number |
19K15492
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
濱中 晃弘 九州大学, 工学研究院, 助教 (20758601)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 石炭地下ガス化 / UCG / AE計測 / ガス化制御 / 未利用エネルギー資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究計画通り,小規模UCG模型実験を実施した。本実験では,直径300 mm,高さ350 mmのペール缶を用いて,UCG模型試料を作製した。また,UCG模型実験中の石炭の温度および破壊音(Acoustic Emission: AE)を計測するため,熱電対および加速度計を取り付けた。注入剤の注入流量や酸素濃度がガス化領域の拡大やAE活動に与える影響に関して検討するため,注入流量は10 L/min,15 L/min,20 L/minの3ケース,酸素濃度は30%,50%,70%の3ケースで実験を行った。 一連の実験より,酸素濃度の増大に伴い,生産管側に形成されていた高温領域が注入管側に形成されるようになり,注入流量の増大に伴い,高温領域がより広範囲に拡大することが明らかとなった。また,酸素濃度を増大させることで,酸化反応により生成されるガス成分量が大きくなった。UCGにおける主な酸化反応は発熱反応であることを考慮すれば,酸素濃度を増大することで酸化反応を促進し,反応領域の温度を高温にすることが可能であると考えることができる。また,注入流量に関しては,流量を増大することでガス化反応領域がより広範囲に広げることが可能になると考えられる。これらの結果に対して,AE計測データを解析したところ,高温領域側に設置されたAEセンサーほど,AE発生イベント数の割合が大きかった。これは,高温領域内での石炭試料の温度変化によりAEが発生していることを示しており,AE計測により高温領域のガス化領域の拡大を把握することが可能であることを示している。 前年度までに実施した実験結果も踏まえると,AE計測はUCG中のガス化領域のモニタリングに有効であり,高温領域の拡大も捉えることができることから,反応領域の制御にも有用であることと考えられる。
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