2019 Fiscal Year Research-status Report
Creation of Asymmetric Graphene Nanoribbons for Functional Applications
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19K15541
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
信末 俊平 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教 (80774661)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | グラフェンナノリボン / ナノ炭素材料 / 骨格柔軟性 / π共役系 / 環化脱水素反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、ジグザグ端をもつ非対称なグラフェンナノリボン(GNR)を合成する手法の確立と、それを用いたGNRの機能性開拓を目的としている。これまでGNRの合成は金属表面上でのラジカル反応と熱的な縮環反応により行っていたが、バルク材料としての特性の開発を進めるため、新たに溶液中での有機合成化学的な手法による合成に着手した。 初年度は、非対称エッジ構造をもつGNRの合成手法の確立を行った。通常GNRの合成には、モノマー分子をポリマー化反応によって高分子前駆体とし、酸化剤を用いた脱水素化反応によりGNRを得る。しかし、非対称修飾を見据えた独自のZ型分子を用いた場合、高分子前駆体の分子骨格がフレキシブルであるため、酸化剤による一般的な脱水素反応では期待したGNRが得られなかった。そこで、前駆体高分子に塩素原子を導入しパラジウム触媒を用いた炭素-炭素結合形成反応と酸化的な脱水素化反応を組み合わせることにより、目的とする非対称構造をもつGNRの合成を達成した。さらに一般的にGNRのような大きな骨格をもつπ電子骨格を合成する場合、溶媒への溶解度を得るためアルキル鎖を導入することがほとんどであるが、この非対称構造をもつ合成手法により、予備実験としてアルコキシ鎖とアルキル鎖を非対称に導入したGNRの合成も行うことに成功した。 以上のように、フレキシブルな前駆体を用いたポリマー化反応とそれに続く二段階の環化縮環反応により非対称なGNRの合成を行うことに成功し、さらなる機能性を有するGNRを創出する土台が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、さらなる機能性をもつGNRを得る足掛かりとなる非対称構造の合成手法を確立した。高分子前駆体がフレキシブルな骨格から構成されているため、一般的な脱水素反応のみでは設計したGNR骨格が得られないことも当初から予想されていたが、二段階の結合形成反応を経ることにより目的となるGNR構造を合成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には申請当時の研究計画に従い、強誘電性や強磁性といった性質を有するGNRの合成を進める。具体的には、骨格の両端に電子供与基や電子求引基を導入した骨格や、スピンを片側のみに偏らせる元となる官能基を導入する。一連の研究を通じ、これまで構造学的な知見を得ることが主な研究対象であったGNR化学を、次世代機能性有機材料として応用することを目指す。
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Research Products
(2 results)