2021 Fiscal Year Annual Research Report
Highly efficient hydrogen evolution catalyzed by tetrarhodium complexes with transition-state-controllable coordination spaces
Project/Area Number |
19K15588
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
片岡 祐介 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 助教 (20725543)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 水素発生 / 多核金属錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 申請者が開発した水の光および電気化学的還元反応(水素発生)において高頻度な触媒活性を示すロジウム二核錯体の更なる高性能化を達成する事を目指し, ロジウム二核錯体の水素発生反応機構における律速段階の1つである「Rh-H中間体形成後のHeterolytic経路」を, より低エネルギーに水素発生が可能な「Homolytic経路」へと誘導できる様なロジウム四核錯体の開発を実施する。具体的には, (i) アーチ状有機ジカルボン酸配位子を使用する事で, 錯体分子内に「遷移状態・ 反応中間体を制御する事が可能なHomolytic経路に適した水素発生反応場」を持つ「空間活用型ロジウム四核錯体」を開発する。また, (ii) (i)において水素発生に最適な反応空間体積が形成可能なアーチ状有機ジカルボン酸配位子と(iii)最適なレドックス活性補助配位子の探索を行う。例えば、一昨年度および昨年度の研究から、アーチ型カルボンを介して連結させたロジウム四核錯体は、2つのロジウム二核骨格内に水分子1つ分の配位空間を持つことを明らかにしており、同ロジウム四核錯体が高性能な光水素発生触媒として機能することを明らかにしている。本年度は、上記の配位空間の設計指針に加え、分子機械の概念も加えることで、「2つのロジウム二核ユニットが柔軟に単一分子内で動ける環境」を構築することを目指し、フェロセンジカルボン酸をリンカー配位子とするロジウム四核錯体の開発を行った。触媒反応条件は、検討(最適化)を実施している段階にあるが、既存のイリジウム光増感剤を使用することで高頻度な光水素発生を行うことが確認できている状況にある。
|
Research Products
(7 results)