2021 Fiscal Year Annual Research Report
印刷可能な多孔性配位高分子による配向膜の創製および一方向輸送特性の発現
Project/Area Number |
19K15593
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
原口 知之 東京理科大学, 理学部第二部化学科, 講師 (10801772)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 多孔性配位高分子 / 配向膜 / コロイド溶液 / キャスト法 |
Outline of Annual Research Achievements |
金属イオンと配位子が自己集合して形成される多孔性配位高分子(Metal-Organic Framework: MOF)は規則的なナノ細孔を有し、構成要素を変えることで多彩な構造を設計することができる。また、ガス吸着や触媒などの多彩な物性を示すために大きな研究領域を形成している。近年、MOFを固体表面上に構築し、ガスの分離、濃縮、触媒作用などの素機能を集積化する技術は電極触媒やセンサーなどの応用が考えられることから精力的に研究がなされている。この点から、素機能の集積化に適した膜である、結晶成長方向を制御した配向膜として構築することが求められている。しかしながらその作製法は分子レベルで一層ごとに構築する煩雑な手法にほぼ限られている。本研究では、MOFナノシートのコロイド溶液を用いて、“印刷可能な”MOF配向膜を創り出す新たな手法を開発する。 Fe[M(CN)4] (M = Ni, Pd, Pt)、Cu2(TCPP) (TCPP = tetrakis(4-carboxyphenyl)porphyrin)ナノシートに加えて、Cu(BDC)(BDC = 1,4-benzenedicarboxylic acid) ついても合成し、これらのコロイド溶液を基板上に塗布・乾燥することで容易にMOF配向膜を得ることに成功した。作製した膜についてはIR、UV測定、元素分析から同定を行い、AFM測定から表面粗さや膜圧を評価し、薄膜X線回折測定から膜が高い結晶性・配向性を有していることを明らかとした。さらに、膜の厚さ・サンプル量を容易に増やせる利点を生かしてサンプル量を増やし、ガス吸着測定を行うことで膜が多孔性であることを確認している。
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Research Products
(2 results)