2022 Fiscal Year Research-status Report
メタロフォルダマーのばね特性を利用した応力発光材料の創製
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19K15595
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Research Institution | Hyogo Prefectural Institute of Technology |
Principal Investigator |
阿知良 浩人 兵庫県立工業技術センター, その他部局等, 研究員 (60804648)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 白金錯体 / フォルダマー / りん光 / 高分子 / 量子効率 |
Outline of Annual Research Achievements |
白金錯体で構成されたメタロフォルダマーの固体発光特性を対応する白金単核錯体と比較した。白金錯体の発光はりん光発光であることを量子化学計算および蛍光・励起スペクトルで明らかにした。結晶状態のメタロフォルダマーの量子収率・りん光寿命は単核錯体の半分、熱失活係数は単核錯体の2倍で、ほとんど発光しないことがわかった。メタロフォルダマーを合成するための前駆体を高分子に分散して膜を作製し、発光特性を評価した。蛍光・励起スペクトルからメタロフォルダマーと類似のプロファイルを示し、高分子内で前駆体がメタロフォルダマーと同じようなフォールディング構造が形成されていることがわかった。さらに、発光寿命が結晶状態のメタロフォルダマーの約5倍になり、熱失活係数が10分の1に減少したことから、メタロフォルダマーの結晶が発光しなかったのは分子の凝集による消光であることが明らかになった。前駆体を高分子に分散してフィルムを作製したものは発光するものの、応力を加えると亀裂が起こりやすいため、応力発光を評価することができなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
メタロフォルダマーの分子構造の検討やメタロフォルダマーをモノマーとしてラジカル重合させるための合成条件が確立していないから。
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Strategy for Future Research Activity |
メタロフォルダマーをモノマーとして用いたままラジカル重合を行い、応力発光を評価する予定である。
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Causes of Carryover |
大阪産業技術研究所での設備の利用のために残すため
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Research Products
(2 results)