2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K15611
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
三原 義広 北海道科学大学, 薬学部, 講師 (90733949)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 吸着剤 / 水質浄化技術 / 汚染物質吸着ゲル / ナノ材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
環境浄化(例えば、水質浄化)を目的として、粒子の自律浮沈により様々な水質の水処理が可能になると共に、処理後の水利用も可能である。これまでの水質浄化は動力を使って、水を動かしながら吸着させるのが常識であったが、本法は浮沈粒子が自ら動いて吸着を促進できるので、水を動かさない(動力を必要としない)新たな水浄化システムが提案できる。従来の薬品の大量投与に頼らない方法であり、21世紀の水処理に求められている環境への負荷の少ない技術であることを当初の計画どおり公表することができた。水浄化ゲルの浮沈回数を増やすための処方開発を当初の計画通り進めることができた。 (吸着剤を内包した水浄化粒子のフッ素の除去から明らかになったこと) フッ化物イオンの吸着能が知られている水酸化セリウム吸着剤を内包した自律浮沈機能を有するゲル粒子を開発した。現在の性能は1 Lビーカーでの実験環境において、10 ppmのフッ化物イオンを95%除去するのに開発当初30時間であったのが、10時間程度まで短縮している。現処方での水浄化粒子では浮沈回数があまり多くないために浄化には当初目標の3時間までには至っていないが、内包する微生物を変更することで浮沈の性能を上げる研究を継続している。この結果は井戸水に含むフッ素の除去に有効な結果を示しており、スリランカでの実証試験に向けて共同研究を進めている。 (活性炭を内包した水浄化粒子の色水の除去から明らかになったこと) 例えば、活性炭をコーティングした水浄化粒子による色素の除去は浮沈挙動が始まると徐々に色が薄くなり、染料廃水を浄化できた。最後は浮いてきた粒子を網で回収できる。水浄化粒子の浮沈回数が増えることで水浄化効果が向上することも考えられた。
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