2021 Fiscal Year Research-status Report
Wide-Band Viscoelasticity Measurement of Single Polymer Chain by Atomic Force Microscope
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19K15632
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
梁 暁斌 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (60733201)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 単一分子鎖 / 原子間力顕微鏡 / 高分子鎖粘弾性 / 温度依存性 |
Outline of Annual Research Achievements |
高分子系の最も基礎的な段階である単一合成高分子鎖に関しては、これまで物理的な理論とモデルの研究が多い、一本鎖を取り扱う実験系の研究が少ないという現状である。特に、一本鎖のダイナミクスの測定手段が少ないという問題点があるため、本研究では原子間力顕微鏡を用いた単一高分子鎖の広帯域周波数粘弾性の研究を行った。2021年度には、温度可変装置をAFM装置に導入し、系統的に高分子鎖弾性の温度依存性を検証した。また、熱ノイズ解析という手法を用い、一本鎖の粘弾性を実測し、その結果が「動的ナノフィッシング」による粘弾性がほぼ一致することがわかった。なお今までの一本鎖粘弾性の研究をまとめ、日本レオロジー学会誌に記念招待総説として発表している(2022 年 50 巻 1 号 p. 107-111)。更に、カンチレバーの形状加工を活用し、各形状とカンチレバーの固有粘弾性の関係性が明にした。以上の成果が高分子一本鎖粘弾性の精密計測が活用され、次世代のサイエンスの重要課題として踏み込ませることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
温度可変実験を用い、PNIPAM、PEG、PSなどの高分子鎖粘弾性の温度依存性を検討した。一本鎖粘弾性から、一本鎖のレベルで高分子と溶媒の相互作用とバルク物性の関係性を明らかにした。今までの研究が計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、動的ナノフィッシンと温度可変装置を組み合わせ、各種高分子鎖粘弾性の温度依存性を検証し、その一本鎖粘弾性とバルク物性の関係を調べた。今後には、高分子種類を拡大、先端的な機能性高分子材料に着目し、機能性高分子のメカニズムの解明をすることが来年度の方針である。熱ノイズ解析という新手法と既存の動的ナノフィッシンを組合、機能性高分子の粘弾性を測定することも今年度の目標にしていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由: コロナの影響で出張が予定より少ないため。 使用計画: 現在準備中の英語論文の英文校正費に支出予定である。
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Research Products
(1 results)