2019 Fiscal Year Research-status Report
Structural analysis of organic device materials by DNP-NMR
Project/Area Number |
19K15648
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 克明 京都大学, 化学研究所, 助教 (90747859)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 固体NMR / 有機半導体 / 有機EL / 動的核偏極NMR |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、熱活性遅延蛍光材料は、有機ELデバイスにおける新たな発光材料として、盛んに研究が進められている。その一方で、これら材料の非晶薄膜中における分子の局所構造やパッキングに関しては、薄膜の発光特性に大きな影響を及ぼすにもかかわらず、X線回折測定を始めとする回折法の適用の難しさから、その測定例はほとんどない。そこで本研究では、固体NMR及びその高感度測定法を用いた動的各偏極NMR(DNP NMR)法を用い、非晶構造に内在する局所構造(コンフォーメーション、分子間パッキング等)を分子レベルで明らかにすることに取り組んだ。 本年度は申請書記載の、有機半導体材料の分子コンフォメーション、分子間距離、πスタッキング解析のうち特に、熱活性遅延蛍光材料のドナー・アクセプター間ねじれ角に注目して研究を進めた。動的核偏極NMR法を用いることにより、通常低感度で測定に長時間を要する核種の短時間測定に成功し、また、得られたスペクトルを解析することにより、非晶中で40-50度程度のドナー・アクセプター間ねじれ角を有することを明らかにした。 また、これらの研究と並行して光照射・光検出可能なDNP NMRプローブの整備を行った。実際にこのプローブの運用を行い、光照射化においてもDNP NMR測定が可能であることを検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は主に熱活性遅延蛍光材料の、非晶状態におけるドナー・アクセプターねじれ角解析に取り組んだ。その結果、これまで評価が難しかった、非晶膜中におけるねじれ角の定量的な解析に成功している。また、光照射・光検出可能なDNP NMRプローブの開発、運用を行い、光照射化における動的核偏極NMR測定が可能になりつつある。以上のことから研究はおおむね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のようにねじれ角評価を他の高特性材料に適用し、発光物性とコンフォメーションの相関を解明する。また、本年度の取り組みにより、光照射下でのDNP-NMR測定が可能となったため、光照射下でのねじれ角変化を解明していく。加えて、測定法を二次元二量子固体NMR法に展開しより精密な分子内コンフォメーション解析を進めていく。 また、申請書記載の、分子間パッキング情報、分子間距離情報に関する測定も順次進めていく。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Impact of the Position of Imine-Linker over Optoelectronic Performance of π-Conjugated Organic Frameworks2019
Author(s)
Ghosh,S., Tsutsui, Y., Suzuki, K., Kaji, H., Honjo, K., Uemura, T. and Seki, S.
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Journal Title
Mol. Syst. Des. Eng.
Volume: 4
Pages: 325-331
DOI
Peer Reviewed
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