2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K15656
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 瑛祐 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 助教 (60827781)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ナノシート / 金属 / 酸化物 / 導電性 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノシートは、特異な2次元ナノ構造に起因する高い比表面積や、面内方向の高伝導性、電極反応の高速性などを有し、最も注目される材料群である。中でも、金属や金属酸化物ナノシートはグラフェンには無い様々な機能を有する魅力的な伝導性材料になりうる。本研究では、高い導電性を発現することが期待される金属PtやAu、薄層化で理論的に導電性に変化するZnO、導電性酸化物の単層ナノシート化を狙う。昨年度は、これらの金属ナノシートの合成にむけて界面活性剤の固体結晶を利用することで、特性評価に適した巨大なラテラルサイズを有するナノシートの合成手法を確立した。そこで本年度は、さらに得られたナノシートの詳細な構造評価および結晶性の制御を目指した研究を推進した。 最初に昨年度合成した巨大なラテラルサイズを有するナノシートの結晶構造などを電子顕微鏡などにより評価したところ、界面活性剤結晶を蒸気で処理する本手法を利用した場合にはアモルファス化もしくは多結晶化したナノシートや未反応物が多く得られることが判明した。そこで、金属ナノシートにおいて特性評価に適するラテラルサイズを保持しつつ、ナノシートの結晶性を制御することを試みた。金属錯体を含む界面活性剤結晶を基板上で水素還元処理することで、もとの界面活性剤結晶のナノシート形態を保ちつつ1nm程度の厚みを有する金属白金ナノシートが得られることを確認しており、単結晶性の金属ナノシート合成に繋がる足掛かりも得ている。
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