2020 Fiscal Year Research-status Report
アニオン制御に立脚した酸素発生触媒の高活性化と触媒設計指針の創製
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19K15678
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮原 雄人 京都大学, 工学研究科, 助教 (60807816)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 酸素発生反応 / 複合アニオン化合物 / 水電解 / 電極触媒 / 電気化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、ペロブスカイト構造を有する酸ハロゲン化物のアルカリ条件下における酸素発生触媒活性に着目して研究を行った。特に、非酸素アニオンについてフッ素や硫黄、窒素などの元素について酸素発生活性の測定を行った。 まず、フッ素について、合成報告例がある酸フッ化物Sr2CoO3FおよびSr2FeO3Fを高圧合成法により作製し、空気極触媒特性を酸塩化物と比較したところ、Fe系は酸フッ化物の方がより高い酸素発生活性を有することが明らかとなり、資源的観点で有利である可能性が示唆された。これに対して、単純ペロブスカイト構造を有するFe系酸フッ化物の酸素発生活性は低いことが確認されており、結晶構造と非酸素アニオンとの組み合わせが活性に影響を与えることが示唆された。 また、CoとFeを固溶させた酸フッ化物Sr2Co1-xFexO3Fの合成にも初めて成功しており、酸塩化物と同程度の非常に高い酸素発生を有することを明らかにした。また、高活性化の要因として、触媒表面における酸素成分の変化であることを明確にすることに成功した。 続いて、ペロブスカイト類似構造を有するFe系酸硫化物やダブルペロブスカイト構造を有するFe系酸窒化物をそれぞれ真空中およびアンモニア雰囲気中で焼成することで合成し、空気極触媒活性を評価した。その結果、酸硫化物について酸素還元活性を有する一方で酸素発生活性が低いことや、酸窒化物について対応する酸化物よりも良好な酸素発生活性を有することなどを明確にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
触媒設計指針の獲得へ向けて、種々の非酸素アニオン種について結晶構造や遷移金属元素が触媒活性に与える影響を評価できている。また、そのなかで良好な酸素発生活性を有するアニオン制御化合物を見出せている。
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Strategy for Future Research Activity |
遷移金属サイトが活性に与える影響を引き続き検討するとともに、酸素イオン含有量が触媒活性に与える影響を明確にし、酸素発生触媒の高活性化へ向けた設計指針を取りまとめる。
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