2019 Fiscal Year Research-status Report
Intracellular synthesis of anti-cancer agent by ligand delivery cheimstry
Project/Area Number |
19K15690
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小関 良卓 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (80780634)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | SN-38 / 有機合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では副作用の無い抗がん治療法へ向けた新規コンセプト提唱を目指して、がん細胞内に豊富に存在する鉄イオンを利用した細胞内有機合成に取り組んだ。抗がん剤のモデル化合物としてはSN-38を採用し、その前駆体(無活性)を細胞に与え細胞内にて分子骨格を形成させて活性を発現させることを目指した。SN-38は高い抗がん活性を有する化合物であり、そのプロドラッグである塩酸イリノテカンが乳がんや大腸がん等の様々な種類の固形がんの治療に幅広く利用されている。SN-38前駆体の合成はキノリン部分とラクタム部分をそれぞれ合成し、カップリング反応と続く保護基の脱保護反応によりSN-38前駆体を得ることを計画した。 SN-38のキノリン部分(AB環)は光フリース反応を駆使することで、既存の合成法よりも短工程にて骨格を形成する手法を確立することに成功した。また、SN-38のラクタム部分(DE環)の合成では当初の不斉シアノ化反応を経由する合成経路では反応の再現性が得られず、十分な量を供給することが困難であった。そこで、合成経路を別途立案し、鍵反応である不斉点構築の反応条件(触媒、リガンド、溶媒等)を検討できる段階まで合成実験を進めることができた。 両フラグメントのカップリング反応に関しては、モデル化合物を用いた反応条件の検討が完了しており、各フラグメントが合成され次第、SN-38前駆体の合成を達成できる目処が立った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SN-38のラクタム部分(DE環)の合成において、当初の合成経路では反応の再現性が得られず十分な量を供給することが難しいことから合成経路を変更したため。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度はSN-38前駆体の合成を完了し、細胞内において骨格形成させるための反応条件を見出す。
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Causes of Carryover |
2019年度はSN-38の前駆体の合成を完了し、細胞内合成の検討を開始する予定であった。しかし、SN-38前駆体が当初計画していた合成経路での合成が困難であることが判明し、経路変更を行った。そのため、2019年度は細胞実験用の試薬・消耗品の購入に至らず次年度に繰り越すこととした。
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[Journal Article] Influence of Hydrolysis Susceptibility and Hydrophobicity of SN-38 Nano-Prodrugs on Their Anticancer Activity2019
Author(s)
Y. Koseki, Y. Ikuta, L. Cong, M. Takano, H. Tada, M. Watanabe, K. Gonda, T. Ishida, N. Ohuchi, K. Tanita, F. Taemaitree, A. T.N. Dao, T. Onodera, H. Oikawa, H. Kasai
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Journal Title
Bull. Chem. Soc. Jpn.
Volume: 92
Pages: 1305-1313
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Fabrication SN-38 Nano-Prodrugs and Their Anticancer Activity2020
Author(s)
Yoshitaka Koseki, Yoshikazu Ikuta, Liman Cong, Mayumi Takano-Kasuya, Hiroshi Tada, Mika Watanabe, Kohsuke Gonda, Takanori Ishida, Noriaki Ohuchi, Keita Tanita, Farsai Taemaitree, Anh Thi Ngoc Dao, Tsunenobu Onodera, Hidetoshi Oikawa, Hitoshi Kasai
Organizer
日本化学会 第100春季年会
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