2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of bioorthogonal RNA-RNA-binding protein pairs via molecular co-evolution and application for translational control
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19K15701
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
福永 圭佑 沖縄科学技術大学院大学, 核酸化学・工学ユニット, 研究員 (80639279)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ファージディスプレイ / SELEX / 分子進化 / 共進化 / 次世代シークエンシング |
Outline of Annual Research Achievements |
古細菌由来のbox C/D RNA-L7Aeをモデル系としたRNP複合体の共進化実験を行った。当初、遺伝子と紐付けられたL7Aeタンパク質の作製にcDNAディスプレイ法を用いることを検討していたが、タンパク質に対するPuromycinの反応性(遺伝子型-表現型の紐付け効率)が想外よりも低いことが分かった。そこで、T7ファージディスプレイ法へと切り替えを行い、野生型L7Ae又は変異L7Aeを提示するファージ粒子を作製した。また、in vitro転写系でL7Aeに結合するbox C/D RNA、及びその変異体を調製した。これら4者の中でbox C/D RNA、野生型L7Aeのみが相互作用することが可能なRNA-RNA結合タンパク質ペアであり、in vitroセレクションを行ったところ正しいペアが選択・濃縮されることを確認した。 L7AeをRNA結合タンパク質のスキャドールドとすることに決め、RNA結合部位周辺をNNKコドンを使ってランダム化したファージライブラリーを構築した。プラークアッセイにより10の8乗程度の多様性があると推定された。また、10の12乗の多様性があるRNAライブラリーも構築した。これらを試験管内で混ぜ合わせ、RNP複合体の選択・増幅を行うサイクルを6ラウンド繰り返した。次世代シーケンサーを用いて配列情報解析を行ったところ、RNA・タンパク質ともに配列の濃縮が見られ、複数のRNA-RNA結合タンパク質ペアがセレクションされていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
試験管内においてRNA-RNA結合タンパク質ペアの選択・増幅(共進化実験)を行うというコンセプト実証に成功したため。RNA結合タンパク質の提示方法について当初の予定より変更があったものの、全体としては計画通り研究が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
現状ではペアとなりうる配列の候補が複数得られているだけであり、今後どのタンパク質とRNAが対応するのかを決定する必要がある。そのため、リコンビナントタンパク質としてL7Ae変異体を調製し、小規模の多様性のRNA poolの中から結合するRNAアプタマーの再セレクション、及び次世代シークエンシングによる配列情報解析を行う。直交性のあるRNA-RNA結合タンパク質ペア候補が得られた場合、表面プラズモン共鳴法による結合親和性の評価を行う。また、翻訳制御スイッチとしての活性の評価も行う予定である。
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Causes of Carryover |
少額の次年度使用額が生じたものの、概ね計画通り執行した。次年度は主に試薬・消耗品等の購入に予算を使用する。
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