2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of bioorthogonal RNA-RNA-binding protein pairs via molecular co-evolution and application for translational control
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19K15701
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
福永 圭佑 沖縄科学技術大学院大学, 核酸化学・工学ユニット, 研究員 (80639279)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ファージディスプレイ / SELEX / 共進化 / RNA / RNA結合タンパク質 / 直交性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、”ファージディスプレイライブラリー vs. RNAライブラリー”のin vitro共進化実験で6ラウンドのセレクション後にコピー数の最も多かったタンパク質配列・上位20種類(LS1 - LS20)について、大腸菌発現系を用いてリコンビナントタンパク質の調製を行った。また、in vitro翻訳反応によりオリゴDNAプールから小規模の多様性の第二世代RNAライブラリーを調整した。個々のタンパク質に対してRNAライブラリーのセレクションを行い、次世代シーケンシングでRNA配列の濃縮の程度を解析した。その結果、タンパク質20種類はコンセンサス配列2種類のうち何れかを持つRNAに対して選択的に結合することが見い出された。 このうち、"LS4タンパク質とコンセンサス配列1を持つRNA"、"LS12タンパク質とコンセンサス配列2を持つRNA"のRNA-RNA結合タンパク質 (RBP) ペアは高い結合選択性を持つと推定された。表面プラズモン共鳴装置を用いて結合解析を行ったところ、それぞれのRNA-RBPペアはpMレベルの解離定数を持つことが分かった。RNAの二次構造予測からコンセンサス配列がそれぞれinternal loop構造の形成に関与していることが示唆され、最小化したRNA(CS1およびCS2)をデザインし結合解析を行ったところ同様にpMレベルの解離定数を示した。一方、LS4はCS2 RNAに対して数百nM、LS12はCS1 RNAに対して数十nMの解離定数を示すことが分かり、KD値の比から見ると、LS4はCS1 RNAに対して4030倍、LS12はCS2 RNAに対して15800倍選択的に結合することが分かった。つまり、”ライブラリー vs. ライブラリー”のin vitroセレクションを通じて直交性のRNA-RBPペアを取得することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
試験管内においてRNA-RNA結合タンパク質ペアの選択・増幅(共進化実験)を行うというコンセプト実証の段階から、実際に10の12乗の多様性のRNAライブラリー、10の8乗の多様性のタンパク質提示ファージディスプレイライブラリーを分子共進化させ、直交性のRNA-RNA結合タンパク質ペアを取得するという段階に至ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
現状まで得られている成果: RNAとファージディスプレイライブラリーのin vitro共進化系(PD-SELEX)と直交性RNA-RNA結合タンパク質ペアの取得について論文投稿を行う予定である。また、翻訳制御スイッチの構築を含め、自身が取得した新規RNA-RNA結合タンパク質ペアを用いた生体分子ツールの開発を検討する。
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Causes of Carryover |
学術集会のオンライン化により出張を行うことが無かったため、旅費は未使用となった。一方で、新型コロナウイルス感染症流行により約1ヶ月の大学ロックダウンが行われ、自身がデータ解析を除くウェットの実験を行うことができない期間が生じたため、積極的に受託合成や受託解析を利用し研究の遅れを取り戻した。結果として、少額の次年度使用額が生じるに至った。次年度は試薬・消耗品の購入、オンライン学術集会への参加に予算を使用する予定である。
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