2019 Fiscal Year Research-status Report
糖部修飾型人工核酸アプタマー創出に向けた基盤技術の構築
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19K15702
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
星野 秀和 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 創薬デザイン研究センター, 特任研究員 (40784848)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 人工核酸 / 核酸アプタマー |
Outline of Annual Research Achievements |
核酸アプタマーとは標的分子に対して特異的に結合することのできる核酸分子であり、分子標的薬として期待される。天然の核酸であるDNAやRNAのアプタマーは生体内で核酸分解酵素によって容易に分解されるが、核酸分解酵素耐性を有する人工核酸に置き換えた人工核酸アプタマーは生体内でも安定的な効果を示すことができる。さらに、人工核酸の種類によって細胞膜透過性など様々な特性を付与することができるため、核酸アプタマーに適用可能な人工核酸の種類を拡張することは重要な課題である。核酸アプタマーの取得方法であるSELEX法では、核酸伸長酵素であるポリメラーゼによる伸長反応が必須であるが、通常のポリメラーゼでは人工核酸に対応できないため人工核酸アプタマーを取得することができない。 これまでに研究代表者は架橋型人工核酸である2′,4′-BNA/LNAのアプタマーを取得するために100種類以上の独自の改変ポリメラーゼを作製してきた。そこで本研究では、改変ポリメラーゼを用いることで、人工核酸アプタマーに用いることのできる人工核酸の種類の拡張を目指した。 当該年度では、改変ポリメラーゼのスクリーニングを実施した。その結果、独自の人工核酸を含めて複数の人工核酸について高効率な伸長が可能な改変ポリメラーゼを見出すことに成功した。さらに、ある特定の低分子が人工核酸の伸長効率を高めることを発見した。反応の正確性を評価するための解析を実施した結果、塩基配列の誤りは少なく、優れた正確性で反応を行うことができることが明らかとなった。人工核酸アプタマー開発に適用可能な人工核酸の種類を拡張することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の通り、当該年度は改変ポリメラーゼのスクリーニングによって人工核酸アプタマー開発に用いることのできる人工核酸の種類を増やすことに成功した。人工核酸の種類によって最適な改変ポリメラーゼの種類は異なっており、各種人工核酸と改変ポリメラーゼの相性について知見を得ることができた。今後さらに人工核酸の種類を拡張する場合においても役立つ情報となる。また、各種人工核酸の反応の正確性についても評価した結果、いずれの人工核酸においても優れた正確性で反応を実行できることが示された。反応の正確性は核酸アプタマーの取得効率の向上に繋がるため重要な要素である。また、ある特定の低分子が人工核酸の伸長反応効率を向上させることを発見した。特に反応効率が低めの人工核酸において効果が大きかった。この発見によって、人工核酸アプタマーに使用できる人工核酸の幅がさらに広がった。
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Strategy for Future Research Activity |
複数種類の人工核酸を用いてアプタマーを取得する準備ができたため、実際に人工核酸アプタマーの取得を目指す。標的候補の一つとして、血中に存在する特定のタンパク質を予定している。既にDNAアプタマーが取得されているタンパク質であり知見も多いため、各種人工核酸アプタマーの評価のモデルケースとなり得る。実際にこれまで、研究代表者は人工核酸アプタマーの取得に成功しており、人工核酸の種類の違いを評価するには最適である。もう一つの標的候補は細胞内で局在するタンパク質を想定している。特定の人工核酸の性質によってアプタマーに細胞膜透過性を付与できると想定されるため、人工核酸アプタマーの細胞膜透過性の評価に用いることができる。核酸アプタマーの選別方法であるSELEX法を実施したのち、配列類似性、構造モチーフなどを参考に候補配列の中から配列をピックアップし、人工核酸アプタマーを合成する。作製した人工核酸アプタマーについて機能評価を行う。 さらに、得られた成果については、国内外の学会や学術誌で発表することで成果を広く社会に還元する。
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Research Products
(2 results)