2023 Fiscal Year Annual Research Report
糖部修飾型人工核酸アプタマー創出に向けた基盤技術の構築
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19K15702
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
星野 秀和 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 創薬デザイン研究センター, プロジェクト研究員 (40784848)
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Project Period (FY) |
2021-11-01 – 2024-03-31
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Keywords | 核酸医薬 / 人工核酸 / 改変ポリメラーゼ / アプタマー |
Outline of Annual Research Achievements |
人工核酸を用いてアプタマーの選別を行うことで、生体内安定性に優れた人工核酸アプタマーを開発することが可能となる。アプタマーの選別に利用可能な人工核酸の種類を拡張することで、細胞膜透過性など様々な特性をアプタマーに付与することができる。しかし、そのためには様々な人工核酸の転写用(DNA→人工核酸)、および逆転写用(人工核酸→DNA)の改変ポリメラーゼがそれぞれ必要となる。本課題において、糖部架橋型人工核酸であるAmNAおよびGuNAの転写ポリメラーゼおよび逆転写ポリメラーゼの開発を実施した。AmNA, GuNAは非常に優れた核酸分解酵素耐性を示すほか、標的タンパク質との相互作用に役立つ可能性のある官能基を有しているため、アプタマーの基質として有望である。転写反応については優れた伸長効率と正確性を示す改変ポリメラーゼを得ることに成功した。しかし、逆転写ポリメラーゼについて正確性を精査した結果、アプタマーの選別を行うためには性能が不足していた。そこで、逆転写用の改変ポリメラーゼの正確性の改善に取り組んだ。50種類以上の改変ポリメラーゼを作製し、性能を評価した結果、伸長効率と正確性が共に向上した改変ポリメラーゼを得ることができた。人工核酸との立体障害の解消と校正活性の調節により解決することができた。副次効果としてプライマーダイマー伸長由来の副生成物を減らすことが可能となった。また、これまでに開発を進めてきた改変ポリメラーゼを用いてスクリーニングを行い、複数種類の2′-O-アルキル修飾核酸の転写が可能であることを見出した。そして、本課題の中で人工核酸の転写・逆転写をポリアミンが促進できることを見出し、ANAや2′-Amino-RNAなどの人工核酸を効率的に伸長することができた。本研究課題を通じて、当初の計画よりも数多くの人工核酸をアプタマー開発に利用することが可能となった。
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