2021 Fiscal Year Annual Research Report
メロテルペノイド生合成酵素の精密機能解析を基盤とした構造多様化機構の解明
Project/Area Number |
19K15703
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 貴裕 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (60734564)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 生合成 / 酸化酵素 / 結晶構造解析 / 酵素反応機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
糸状菌由来novofumigatoninの生合成に関わる新規異性化酵素NvfEのホモログ酵素、NvfIの詳細なメカニズム解明、生化学的性質についての解析を行った。NvfIはasnovolin Aを基質とし、一回の触媒反応で3つの酸素原子を導入し、fumigatonoid Aを生産する。 昨年度までにNvfIの立体構造を明らかとしたため、活性部位アミノ酸残基に対する変異を導入し、反応に重要なアミノ酸残機を特定するとともに、NvfIの反応性の改変を試みた。基質結合時にコンフォメーションが変化する可動性ループ上に位置するアミノ酸残基Phe127とTrp199をAlaに置換したところ、活性の消失を確認した。また、F127I、W199F変異体においては、活性の低下とともに、新たにasnovolin AのC-13位がアルデヒド化された新規化合物を生成していた。さらに、活性部位において基質と相互作用を形成しているHis138のAla置換体においては、C-2'-C-3'がエポキシ化された化合物が生成していることを見出した。これらの結果より、可動性ループ上のPhe127とTrp199はゲートキーパー残基として、基質の結合様式に重要であり、His138は基質と水素結合を形成することで、基質認識、生成物特異性の制御に重要であることが明らかとなった。また、NvfIの酸素の安定同位体を用いた精密酵素機能解析により、NvfIの反応中において導入される酸素原子のうち、2つは酸素由来、1つは水由来であることが判明した。異常の結果をもとに、NvfIの詳細な反応機構の提唱をおこなった。
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Research Products
(7 results)