2020 Fiscal Year Research-status Report
Ultrasensitive and large-scale protein analysis using single molecule fluorescence gel electrophoresis
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19K15718
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
金 水縁 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (50758886)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | タンパク質分析 / ゲル電気泳動法 / 単一分子蛍光顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に確立した単一分子蛍光ゲル電気泳動法を利用し、本年度は一細胞電気泳動法の開発と一細胞タンパク質の蛍光標識法の改善を行った。 まず始めに、単一分子蛍光ゲル電気泳動法の再現性評価を行った。蛍光色素を標識したヒト細胞溶解液の希釈液(約0.5細胞/レーン相当)を複数のレーンに電気泳動し、一分子計測を行った結果、5つのデータの中で約14%のcoefficient of variation (CV)があり、本法が識別できるばらつきの閾値が示唆された。 また、1細胞ハンドリング装置によりドロップレットごとに個々のヒト細胞を導入し、そのまま細胞溶解と蛍光色素標識を行った。そこで、一細胞のタンパク質の絶対量が少ないこと(~数百pg)から、蛍光色素との反応後、標識されたタンパク質を精製することが大変困難である。我々は反応条件の改善や未反応色素の除去などを試みることにより、プロトコルの最適化を行った。まだ改善の途中であるものの、色素標識を行った一細胞タンパク質試料に対して電気泳動を行っ結果、3個の一細胞の電気泳動プロファイルを比較した結果、37 kDa-75 kDaの領域で約25.2%のCVが計算された。この数値は再現性実験で得られた14%より大きく、細胞間のプロテオームのはらつきを反映していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題の最も重要な開発内容である1細胞プロテオーム解析に関しては研究が進んでいるが、Multiplex単一分子蛍光ゲル電気泳動法と二次元電気泳動の一分子感度化については実験の実施が出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、以下の項目の中、特に(1)を中心に研究を進める。(2)と(3)については、終了時まで原理検証を行い、一分子電気泳動法のさらなる展開への可能性を模索する。 (1)得られた1細胞電気泳動の結果をもとに、細胞間での表現型(プロテオーム)の多様性を研究できる実験系と解析法を確立する。 (2)酵素タンパク質の活性度やタンパク質リン酸化などのプロテオームを機能面で調べられるMultiplex 単一分子蛍光ゲル電気泳動法を開発する。 (3)二次元電気泳動、キャピラリー電気泳動など様々な電気泳動法と本法を融合し、一度で識別できるタンパク質の数を向上させる。
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Causes of Carryover |
ライフイベントによる休業などにより、今年度予定していた研究を全て実施することができなかった。したがって、その研究計画は次年度に行うことになり、必要な装置と消耗品等の購入は次年度に執行する。
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