2020 Fiscal Year Research-status Report
新規の硫黄分子種の分析化学的手法による新規抗酸化有用機能性のチオール分子種探索
Project/Area Number |
19K15727
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
河野 祐介 筑波大学, 生命環境系, 助教 (40558029)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 生体硫黄分子 / 硫黄代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に行った藻類の硫黄代謝物の解析結果との比較とのために、今年度は、非光合成の微生物種の硫黄代謝物の解析を行った。現在、検出ピーク群の種間比較等々、溶出時間や検出m/z等々の考察から、既知化合物由来のピークと未知化合物由来ピーク(新規化合物候補)の選別を行って、新規硫黄化合物候補と思われる(レアな)ピークを更に絞り込んでいる。また、昨年度から引き続き行っている、微生物の液体培養時の「気相」における硫黄化合物成分については、その存在分子種などの解析は一般にほとんど進んでおらず、未知の新規化合物種の存在可能性が期待できると考え、気体性チオール分子の検出を可能にする「化学修飾による不揮発化処理によるサルファーインデックス解析」についても、方法論やその検出成否を検討している。しかし、気相試料と液体の修飾剤を効率よく反応させることは難しいことが実験上分かってきており、現時点では効果的な検出系の確立には至っていない。引き続き、修飾剤濃度や反応時間等を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、学会発表等も行い、新たな原著論文(サルファーインデックス解析技術の拡張に関する)の提出も進めている(間もなく投稿予定)。したがって、本研究の進捗状況としては、「おおむね順調に進展している」と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
藻類や微生物培養気相における、サルファーインデックス解析において、新規の硫黄化合物種由来のLC-MSピークを更に絞り込むため、修飾剤の種類の変更、これらの修飾後の経時変化を調べるの実験を進める。これにより、候補ピークを更に絞り込み、クロマトグラフィー分離時の分取により化合物を精製を行う。精製物は、精密質量分析や各種分光解析(NMR、FT-IR等)を行い、精製物の化学構造の決定を及び新規化合物種であるかの検討を進める。
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Causes of Carryover |
【次年度使用額が生じた理由】 想定していた要調達の試薬類(一般、質量分析用等)が、所属研究室の共通的な試薬とし充実していた状況であったため、本研究予算として追加調達する必要が無くなった。また、コロナウィルス万円の関係で参加予定であった学会や打ち合わせの出張等が中止となり、想定していた旅費が必要なくなった。以上により、予算未利用分の次年度使用額が生じた。 【使用計画】 より効率的な実験を実現すべく、実験キット類、ディスポ機器類の充実に次年度使用額を利用する。つまり、当研究の推進を更に加速すべく有効活用する。
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Research Products
(3 results)