2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K15732
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
後藤 愛那 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(PD) (60738384)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 母乳 / 脂質 / 脂肪酸 / HYA / ビフィズス菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、乳児糞便中の腸内細菌叢と脂肪酸組成の分析を行ってきたが、その結果をさらに確実なものとするため、分析個体数を増やした。助産院で糞便と 母乳のペアサンプルを回収した。脂質を抽出し、GC-MSにより脂肪酸(特にLA、OA、HYA、HYBについて)分析を行った。また、糞便サンプルからはゲノムDNAを抽 出し、16S rDNAのNGSから腸内細菌叢解析を行った。その結果、ビフィズス菌数とHYA変換効率が正に相関する結果となり、これまで得られていた傾向をさらに裏 付けた。 乳児糞便腸内細菌叢解析について、Bifidobacteriumに分類されるOTU配列について、改めてBLAST検索を行うと、複数種のビフィズス菌が同定された。 ゲノム編集が可能なB. longum株を用い、変換酵素をコードすると予測される遺伝子を欠損させると、HYAの産生が見られなくなったことから、本酵素が確かに変換反応を担う酵素であること確かめられた。 一方、乳児腸管内で検出された種のうち、ゲノム配列情報が明らかとなっている複数の株について、脂肪酸変換酵素をコードする遺伝子を検索すると、大部分の株が該当遺伝子を保有していた。一方で、分譲機関より入手可能な株を用い、実際に菌レベルで脂肪酸変換能を検討したところ、菌株により変換能が大きく異なり、特に乳児腸管 内で多い種に関しては変換能が高い傾向が見られた。乳児腸管内で豊富なB. longumとB. breveについては、経時的な変換についても検討した。反応は、ある一定の変換効率(脂肪酸組成の比)に収束する傾向があった。 また、本酵素がビフィズス菌の脂肪酸耐性と関連する可能性を検証するため、母乳中に含まれる各種脂肪酸のビフィズス菌生存との関連を検討し、脂肪酸種とビフィズス菌種の組み合わせで耐性に大きな違いがあることを見出した。
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[Journal Article] Next-generation prebiotic promotes selective growth of bifidobacteria, suppressing Clostridioides difficile2021
Author(s)
Rika Hirano, Mikiyasu Sakanaka, Kazuto Yoshimi, Naohisa Sugimoto, Syogo Eguchi, Yuko Yamauchi Misaki Nara, Shingo Maeda, Yuta Ami, Aina Gotoh, Takane Katayama, Noriho Iida , Tamotsu Kato, Hiroshi Ohno, Satoru Fukiya, Atsushi Yokota Mamoru Nishimoto, Motomitsu Kitaoka, Hiroyuki Nakai, Shin Kurihara
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Journal Title
Gut Microbes
Volume: 13
Pages: e1973835
DOI
Peer Reviewed