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2019 Fiscal Year Research-status Report

難培養性共生微生物が生産する希少天然化合物の合成生物学による発酵生産技術の開発

Research Project

Project/Area Number 19K15744
Research InstitutionNational Institute of Advanced Industrial Science and Technology

Principal Investigator

工藤 慧  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (80828161)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2021-03-31
Keywords発酵 / 微生物 / 遺伝子、ゲノム / ガン / 医薬品
Outline of Annual Research Achievements

本研究で発酵生産を目指している海洋生物由来の天然化合物ecteinascidin 743 (ET-743)と類似骨格を有する化合物safracin (Pseudomonas由来)およびsaframycin (Streptomyces由来)の異種生産を行うため、まずそれぞれの化合物を生産する菌株ゲノムの細菌人工染色体 (BAC)ライブラリーを作製した。ゲノム配列情報と照らしてスクリーニングを実施し、safracinおよびsaframycinの生合成遺伝子クラスター全長を含むクローンをそれぞれ取得することに成功した。
Safracin生合成遺伝子を含むBACを、汎用ホストであるPseudomonas putidaのゲノムに組み込むことでsafracin生産能を獲得させることに成功した。その結果、これ以降の研究を効率よく進めるために生産量を向上させる必要があると判断した。そこで遺伝子発現の改善を試みたところ、条件発現型のプロモーターを用いることでsafracin生産能が約10倍に向上することを明らかにした。
次に、safracin生合成遺伝子を改変することでET-743が生産されるよう、遺伝子の設計を行った。共通骨格を形成するために重要な遺伝子sacBの改変、ならびにET-743に特徴的な前駆体の供給に必要と考えられる遺伝子群の発現を行うため、これらの合成DNAを用意した。これらを用いて、BACの約4 kbにわたる領域を正確に改変することに成功した。また、約4 kbおよび約8 kbにわたる遺伝子群を、条件発現型プロモーター制御下に連結したベクターを調製した。今後これらの全部または一部を組み合わせてPseudomonasホスト株に導入することで、ET-743とsafracinの中間的構造を有する化合物の生産を試みる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

Safracinの異種生産において、条件発現型プロモーターを利用して生産量を改善できたことは、今後の解析を容易にするのみならず、汎用的に応用可能な手法という点で重要な成果であった。
また、ET-743生合成に必要な遺伝子の補填に関して、当初予定してた改変および追加の設計を完了し、合成DNAを用いて遺伝子発現ベクターを構築した。合成DNAは延べ約16 kbと長大であり、予想外に構築が進まない場面もあったが、結果として設計通り正確に構築することに成功した。以上のようにsafracin生合成遺伝子の機能改変を行うための準備が研究実施計画に沿って進んでいる状況にある。新型コロナウイルス問題の影響を受けて実験を停止したため化合物生産の実証に至っていない(やや遅れている)が、次年度の実験再開後速やかに検証を進める。
Saframycinについては、生合成遺伝子は取得できているが、異種生産には至っていない。次年度以降に検討を要する。

Strategy for Future Research Activity

Safracin生合成遺伝子を用いたET-743生産に注力し、引き続き研究実施計画に沿って研究を遂行する。現在までに設計したsacB遺伝子の改変に引き続き、sacA遺伝子の改変を行うことで、safracinの構造をET-743へと近付けることを計画している。また、ET-743生合成遺伝子のin silico解析に基づき、機能未知遺伝子の活用にも着手する。
化合物の高生産を目指した研究に関しては、Streptomycesを用いたsaframycinの異種生産のほか、safracin生産菌の野生株の遺伝子組み換えなど幅広い可能性を視野に入れて取り組むことが効果的であると考えられる。

Causes of Carryover

予想よりDNA合成に時間を要したため、次年度使用額が発生した。研究計画通り、助成金の大部分は合成DNA購入費用として使用する予定である。昨年度は実験の進捗状況に合わせて次年度使用額が生じたが、全体としては計画通り使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 海洋性難培養微生物が生産する有用物質の異種生産技術に関する研究2020

    • Author(s)
      工藤 慧、西田 みち代、酒井 紀子、末永 光、池田 治生、新家 一男
    • Organizer
      日本農芸化学会2020年度大会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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