2022 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳動物FoF1ATP合成酵素全体の高分解能及び動的構造解析
Project/Area Number |
19K15749
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
慈幸 千真理 京都大学, 複合原子力科学研究所, 特別研究員(RPD) (70585976)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ATP合成酵素 / ミトコンドリア / 単粒子構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は、①哺乳動物ミトコンドリアFoF1ATP合成酵素全体を安定化させる精製方法を確立して三次元結晶を製作し、その全長についてX線により構造解析し、②クライオ電子顕微鏡(クライオ電顕)を用いて、5オングストローム分解能を目標とする単粒子構造解析を行い、加えて③本酵素の回転によって形成される種々のコンフォメーションで本酵素を精製し、クライオ電顕で10オングストローム分解能の構造を決定することである。 本研究において最も重要なことは、安定で無傷な蛋白質の調製法の確立であり、この点において申請者はこれまでの研究で独自の手法の開発に取り組んできた結果、他の研究グループに先駆けて大きく前進している。2022年9月に、精製できた本酵素オリゴマーの物質特許を京都大学よりP C T出願した。 X線構造解析では、結晶中に分子を固定することで、高分解能の構造決定が容易である点がメリットであるが、近年のクライオ電顕の技術発展と試料調製のしやすさから、まずクライオグリッドの作製から初めた。精製過程で用いたショ糖を抜く必要があり、透析も濃縮膜も使用することができなかったが、それらの方法を使用しない方法を見出し(未発表)、本酵素モノマーやテトラマーについて単分散性の高いクライオグリッドの作製が可能となった。 これらのクライオグリッドを用いて、共同研究によりデータ収集を行なった。その結果、本酵素テトラマー18,000粒子から、テトラマー全体については約6オングストローム分解能で、テトラマー中のモノマーにフォーカスして3.6オングストローム分解能の構造を導くことができている。さらにデータセットをとることで、高分解能構造解析が期待できる。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Inhibition of ATP-synthase reverse-activity restores energy homeostasis in mitochondrial pathologies.2023
Author(s)
Perez, R., Beninca, C., Fernandez del Rio, L., Baghdasarian, C. Shu S., Zanette, V., Gerle, C., Jiko, C., Khairallah, R., Khan, S., Pacheco, D. R. F., Shabane, B., Erion, K., Masand, R.,S. Dugar, S., Ghenoiu, C., Schreiner, G., Stiles, L., Liesa, M., Shirihai, O.S.
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Journal Title
EMBO Journal
Volume: e111699
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Rapid and Highly Stable Membrane Reconstitution by LAiR Enables the Study of Physiological Integral Membrane Protein Functions.2023
Author(s)
Hernandez, A., Asseri, A.H., Purugganan, A.J., Jiko, C., deRam, C., Lill, H., Pabst, M., Mitsuoka, K., Gerle, C., Bald, D., McMillan,D.G.G.
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Journal Title
ACS Central Science
Volume: 9
Pages: 494,507
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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