ヒトiPS細胞由来肝オルガノイドによるヒト胎児肝造血の再現

2021 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 19K15753
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 角出 啓輔 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (20826458)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: ヒト造血幹細胞 / 肝オルガノイド

Outline of Annual Research Achievements

ヒトiPS細胞より、肝芽細胞(iHep)・CD271+星細胞様間質細胞(iSC)・ヒアルロン酸+類洞内皮細胞用内皮細胞(iSEC)を誘導し、それぞれ2-4cm長のアルギン酸ビーズに封入した。ここに、ヒト臍帯血HSCを2,000個/ビーズで同時封入したところ、HSC非存在下に比べて、培養10日目におけるヒトアルブミン及びヒトα-fetoproteinの分泌量が増大した。また、胎児送血に特徴的な活発な赤芽球分化を観察した。しかし、HSC自体は大きく増殖することはなかった。
次に、iHep(0.1~30x10^6細胞)・iSC・iSECをそれぞれ5:1:4の割合でマトリゲルに封入し、スフェロイドを形成させ、NSGマウスに移植した。しかし、十分な数のHSCを移植するに足る十分な大きさの移植片が形成されなかった。移植片を回収したところ、マトリゲル中における各種細胞の増殖が抑制されている他、血管構造が形成されていなかった。また、腎被膜下ではHSCの移植が難しいことから、皮下への移植を実施したが、これも同様の結果であった。現在、ヒト成人骨髄由来間質細胞及びHUVEC細胞を同時に封入する方法を検証している。