2020 Fiscal Year Research-status Report
高精度タンデム質量分析による健康食品に違法添加された強壮成分の探索・同定法の開発
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19K15782
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Research Institution | Aichi Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
舘 昌彦 愛知県衛生研究所, 衛生化学部医薬食品研究室, 主任 (60744274)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 強壮成分 / 健康食品 / 質量分析 / クラスター分析 / LC/Q-OrbitrapMS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、健康食品中に混入されるおそれのある違法な強壮成分及びその類似成分を検出するためのスクリーニング分析法の開発を目的とする。これまでに、強壮類似成分40種の標準品を用いた実験から、LC/Q-OrbitrapMS測定により得られたフラグメントイオン(部分構造情報)を基にクラスター分析したところ、強壮成分は構造類似度に応じてクラスターを形成したことから、本法は未知の強壮類似成分の構造推定に有用な方法であることが示唆された。令和2年度は、夾雑成分の多い検体に適用するため、より多くのデータを迅速に処理する方法としてMicrosoftエクセルのマクロ(VBA)を用いたデータ処理の自動化を検討した。 スペクトルデータの移行には、質量分析メーカー各社のデータに対応可能なスペクトル解析ソフトMS-DIAL(RIKEN)を用いることとした。データの移行後、マクロによりスペクトルのピークピッキングを自動化した。構築したシステムを茶葉試料に適用したところ、数週間かかる解析操作が数十分程度まで短縮することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画通り、本スクリーニング法を他機種の質量分析装置にも利用可能にするためには、普及しているエクセルのマクロを用いたスペクトルデータの自動処理化が必要と考えられたが、そのプログラムの構築に多くの時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
1サンプルの分析時間が1時間と長いため、カラム変更など検討し迅速法を確立する。また、添加回収試験等を実施し、実試料における有用性を検討していく。さらに本法の汎用性を評価するため、LC/Q-OrbitrapMS及びQ-TOFMSを用いて比較検討していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、発注していた試薬類の流通が滞り、キャンセルとなったため。R3年度に購入し実験を実施していく予定である。
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