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2020 Fiscal Year Research-status Report

河内晩柑果皮に含まれるシネフリンの抗炎症効果と作用機構の解明

Research Project

Project/Area Number 19K15790
Research InstitutionEhime University

Principal Investigator

石田 萌子  愛媛大学, 農学研究科, 助教 (20800634)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords河内晩柑 / シネフリン / デキストラン硫酸ナトリウム / 大腸炎モデルマウス
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、河内晩柑果皮水溶性抽出物およびその活性物質の一つであるシネフリンの生体内外における抗炎症効果とその作用機構の解明を目的としている。本年度は、炎症性腸疾患モデルであるデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発性大腸炎モデルマウスに対するシネフリンの症状緩和効果と作用メカニズムの解明に取り組み、下記に示す成果を得た。
8週齢のC57BL/6J系雌マウスに2%DSS水溶液を5日間自由飲水させ、大腸炎を誘発した。シネフリンは、DSS飲水開始の7日前から経口投与を開始し、DSS水溶液投与期間中も含めて計12日間にわたり1日1回経口投与した。DSS水溶液投与期間中、体重及び便の状態(下痢と血便)を毎日観察したところ、DSS水溶液の飲水によって体重の増加抑制および下痢や血便といった潰瘍性大腸炎の特徴的な症状が認められた。対照群では、下痢および血便スコアを合計したDisease Activity Index score (DAIスコア)は高値を示したのに対し、シネフリン投与群ではDAIスコアの有意な低下が認められた。一方、DSS飲水による大腸長の短縮においては、シネフリンの経口投与による影響は見られなかったものの、大腸遠位でのIL-6遺伝子およびTNF-α遺伝子の発現において減少傾向が認められた。また、飲水期間最終日(12日目)に採血し、血中の炎症性サイトカイン量を測定した結果、対照群と比較してシネフリン投与群において血中IL-6量の減少傾向が認められた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

当初の予定通り、本年度は、炎症性腸疾患モデルであるDSS誘発性大腸炎モデルマウスに対するシネフリンの症状緩和効果と作用メカニズムの解明に取り組んだ。その結果、対照群では、下痢および血便スコアを合計したDAIスコアは高値を示したのに対し、シネフリン投与群ではDAIスコアの有意な低下が認められた。また、対照群と比較して、血中IL-6量および大腸遠位部でのIL-6遺伝子およびTNF-α遺伝子発現においてシネフリンの経口投与による減少傾向が認められたものの、顕著な効果とは言えないものだった。そこで、DSS水溶液の濃度や飲水期間の延長、投与するシネフリン量の増加など、実験スケジュールの見直しを行い、再度検討する必要がある。本年度では、コロナ禍に加えてDSSモデルマウスの作製や症状の評価方法に時間がかかってしまい、当初予定していた河内晩柑果皮水溶性抽出物によるDSSモデルマウスの症状緩和効果の検討を実施することができなかった。次年度では、引き続き河内晩柑果皮水溶性抽出物およびシネフリンのDSSモデルマウスに対する症状緩和効果とその作用機構の解明に取り組む予定である。また、培養細胞における作用機構について検討を行い、河内晩柑果皮水溶性抽出物およびシネフリンがどのようにシグナル分子の活性化に影響を与えているのか解明する。

Strategy for Future Research Activity

2020年度に引き続き、DSS誘発性大腸炎モデルマウスを用いて、河内晩柑果皮水溶性抽出物およびシネフリンの抗炎症効果を明らかにする。また、河内晩柑果皮水溶性抽出物およびシネフリンがどのようにシグナル分子の活性化に影響を与えているのかについて、細胞表面上の受容体に対する作用も視野に入れ、種々のアンタゴニストを用いることで作用点を明らかにする。さらに、河内晩柑果皮に含まれる、シネフリン以外の活性物質の特定も進める。タンパク質分解酵素や糖分解酵素等による酵素処理および透析処理により活性物質の特性を推定する。さらに、HPLCを用いて分離・精製を行い、活性のあった画分については液体クロマトグラフ質量分析(LC-MS)により物質の質量を推定し、活性物質を特定する。

Causes of Carryover

(理由)新型コロナの影響により、国内外の学会が中止あるいはオンライン開催となり、宿泊費や移動費などの費用が掛からなかった。また、サイトカイン測定キットやRNA解析用試薬が当初の予定より安価に購入することができたため、費用を抑えることができた。
(使用計画)次年度では、引き続き動物実験による検討を実施するため、多額の出費が考えられる。繰越額は、実験動物や飼料、床敷きなどに対する出費が考えられる。加えて、河内晩柑果皮に含まれる、シネフリン以外の活性物質の特定も進めるため、HPLC用カラムや有機溶媒の購入費に充てる予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] LPS誘発性の過剰炎症反応における河内晩柑果皮水溶性抽出物の抗炎症効果2020

    • Author(s)
      石田萌子, 竹國千尋, 西甲介, 菅原卓也
    • Journal Title

      果汁協会報

      Volume: 739 Pages: 12-23

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 河内晩柑果皮成分のマクロファージに対する抗炎症効果2020

    • Author(s)
      石田萌子, 竹國千尋, 西甲介, 菅原卓也
    • Organizer
      第8回あしなが予防医学研究会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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