2019 Fiscal Year Research-status Report
Construction and Application of the Matrix Library for Standardization of Pretreatment Method for Health Food Products Containing Pharmaceutical Ingredients
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19K15802
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Research Institution | Osaka Institute of Public Health |
Principal Investigator |
武田 章弘 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 研究員 (00622755)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | いわゆる健康食品 / 医薬品成分 / QuEChERS法 |
Outline of Annual Research Achievements |
最初に高速液体クロマトグラフ-フォトダイオードアレイ検出器(HPLC-PDA)を用いて、強壮系医薬品成分及び健康食品中のマトリックス成分を検出する条件を検討した。結果、アダマンチルカラムとギ酸酸性条件の移動相を用いた条件を第1選択として採用した。 次に当該年度では「マトリックスライブラリの構築」として(1)抽出・(2)分液・(3)精製の操作について、QuEChERS法を参考に検討を行った。(1)抽出及び(2)分液ではアセトニトリルと水を用い、過剰な塩化ナトリウムによる塩析と無水硫酸マグネシウムで脱水を行い、アセトニトリル相を分取した。(3)精製では4種類の固相担体を用い分散固相抽出を実施し、固相担体の比較検討を行った。健康食品20検体について実際に適用したところ、固相担体によって除去されるマトリックス成分及び量が異なることがわかった。 またシルデナフィル、タダラフィル及びバルデナフィルについて「医薬品成分の性状の確認」を行った。当該成分のアセトニトリル溶液について前段の処理を適用したところ、固相担体によって医薬品成分を吸着してしまうもの、影響を与えないものがあった。健康食品に適用した際の結果と比較することで、医薬品成分の含有が疑われる健康食品の有用な前処理法の開発が期待できる。さらに、カプセルの形状をした健康食品の場合、医薬品成分がカプセル外皮に混ぜ込まれている事例もあることから、カプセル外皮を加熱して溶解させ、医薬品成分を抽出する必要がある。そこで、当該成分が加熱によって分解されるか検討したところ、カプセル外皮が溶解する60℃5分の加熱では分解しないことが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際の健康食品検体と対象とする医薬品成分について、分散固相抽出で用いる固相担体を替えることで挙動が異なることが分かった。このことはマトリックスライブラリ構築のための有用な情報となる。
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Strategy for Future Research Activity |
対象とする健康食品検体の数を増やしていき、マトリックスライブラリの拡充を図る。さらに前処理の条件を増やし、マトリックスライブラリの情報を蓄積していく。
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Causes of Carryover |
・参加を予定していた学会がコロナウイルスの影響で中止となったため、旅費として使用することがなくなったため。 ・当初予定していた分液操作を簡便にする2相分離カラムの販売が中止となったため。 ・分散固相抽出で用いる固相担体及び健康食品に特徴的なマトリックス成分の標準品の購入に充てる。
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