2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of molecular mechanism of water stress tolerance in rice internode.
Project/Area Number |
19K15815
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
永井 啓祐 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 助教 (30648473)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 節間伸長 / 介在分裂組織 / WOX遺伝子 / 浮イネ |
Outline of Annual Research Achievements |
世界の主要穀物であるイネ、コムギ、トウモロコシは全てイネ科植物に属しており、節と節間からなる構造体が垂直方向に積み重なることで茎を形成している。イネ科作物の茎伸長は、各節間の基部に形成される介在分裂組織における細胞分裂が活発に行われることと、その後、これらの細胞が垂直方向に伸長することによって引き起こされることが知られているが、介在分裂組織の発生に関する分子制御機構は未解明の部分が多く残されている。そこで本課題では、イネの中でも顕著な節間伸長能力を有している浮イネと呼ばれるイネを主な材料とし、節間の介在分裂組織の細胞分裂活性に関わる因子の同定および機能解析を目的とした研究を行った。 令和3年度は、前年度に引き続き介在分裂組織の発達過程を明らかにすることを目的として、イネのWOX遺伝子群のうち浮イネの節間介在分裂組織において発現が観察された遺伝子に関して、CRISPR/Cas9システムによる変異体の作出を行なった。その結果、1つのWOX遺伝子の変異体において節間長が短縮した。詳細な発現場所を調べるためにこのWOX遺伝子のpromoterに緑色蛍光タンパク質を融合させ、浮イネ品種C9285に導入した形質転換体を作出して蛍光観察を行なった。その結果、節間において細胞分裂が活発に行われている部位において緑色蛍光が観察されたことから、この遺伝子は節間の介在分裂組織において機能していることが予想された。また、浮イネの伸長節間を基部側から数cm間隔でサンプリングを行い、これらのサンプルよりRNA抽出を行なって遺伝子発現解析を行なった。その結果、介在分裂組織特異的、もしくは介在分裂組織および茎頂分裂組織付近で高発現している遺伝子を多数見出した。この結果は、今後、介在分裂組織の分子制御機構の解明につながることが期待される。
|
Research Products
(5 results)