2021 Fiscal Year Annual Research Report
Induction of hypersensitive response cell death by OsCPK8
Project/Area Number |
19K15844
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
平井 洋行 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, プロジェクト特任助教 (70748847)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 過敏感細胞死 / OsCPK8 / OsNAC4 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題ではイネ過敏感細胞死誘導機構の解明を目的としている。前年度までにOsCPK8がOsNAC4を直接リン酸化していること、及びOsNAC4の下流にエンド型ヌクレアーゼ (IREN) と分子シャペロンOsHSP90が存在していることを明らかにした。本年度は、OsNAC4によるIRENとOsHSP90の発現制御機構とOsHSP90が介する細胞膜透過性喪失機構について研究を行なった。まず、IRENとOsHSP90遺伝子の上流2kbpをルシフェラーゼ遺伝子に連結させたプラスミドとOsNAC4を過剰発現させるためのプラスミドを用いてレポーターアッセイを行なった。その結果、OsNAC4はIRENとOsHSP90の発現を直接制御していないことが明らかとなった。次に、OsHSP90の下流に存在する因子を同定するため、OsNAC4-RNAi 培養細胞を用いて RNA-seq 解析を行なった。その結果、過敏感細胞死誘導時にOsNAC4によって発現が正に制御される遺伝子を142個抽出することができ、この中の5個の遺伝子についてはOsCPK8の下流にも存在していた。そこで、この5遺伝子をイネプロトプラストに導入し、それぞれのタンパク質を過剰発現させたところ、Caleosin様タンパク質をコードしているESP1遺伝子、3-ketoacyl-CoA synthase様タンパク質をコードしているFat遺伝子を導入した場合に細胞膜透過性の喪失が認められた。次に、ESP1・Fatタンパク質とOsHSP90が相互作用するか調べたところ、どちらのタンパク質も小胞体においてOsHSP90と相互作用することが明らかとなった。最後に、ESP1およびFatタンパク質を過剰発現させた場合に認められる細胞膜透過性の喪失は、HSP90の機能阻害剤であるゲルダナマイシンを加えることで認められなくなることも明らかとなった。
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