2022 Fiscal Year Research-status Report
Foodshed概念を用いた都市空間の再評価と計画論への展開
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19K15863
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯田 晶子 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任研究員 (90700930)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 農住混在 / 都市農業 / 健康 / フードシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年6月に実施たCOVID-19パンデミック下における都市緑地・都市農地の利用と健康及び食料不安との関係についてのアンケート調査結果を解析し、国際誌npj Urban Sustainabilityに論文"Urban agriculture in walkable neighborhoods bore fruit for health and food system resilience during the COVID-19 pandemic"を投稿し、受理された。この論文では、家庭菜園や市民農園での自家生産や近隣の農産物直売所での直接購入が、それぞれの利用者の精神的・身体的健康とフードセキュリティの変数と有意に関連していることを明らかにした。特に、市民農園の利用は、都市公園の利用よりも主観的幸福度と強く関連し、食品小売店の利用よりも食料不安の緩和と強く関連していた。これらの結果は、農住混在地区内において都市農地を保全することの有効性を示す強固な証拠となる。
また、2023年3月に東京に於いて都市農業遺産に関する国際ワークショップを主催し、ドイツ・アーヘン大学、インドネシア・パジャジャラン大学、キューバ・ハバナ大学、ブラジル・サンパウロ大学からの研究者と都市農業とその遺産的側面に関する国際比較を行った。そこでの議論を通じて、①日本の農住混在地区は世界的にも特異な存在であり、気候変動や生物多様性保全への対策として、現在ある都市農地の保全が重要であること、②一方で都市農地の保全が農家個人の意思に寄りすぎており、より都市計画的な保全の手立てが必要であることが指摘された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年に出産をし、現在は復職しているが、育児との兼ね合いで、当初計画していた通りには研究時間をとることができていない。そのため、1年間、研究期間を延長した。来年度本科研費の研究成果を取りまとめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本科研費の進行中に新たに採択された国際共同研究強化(A)と連動し、都市緑地・都市農地の利用と健康及び食料不安との関係についての国際比較のための調査を実施する。具体的には、トリノ工科大学の共同研究者と合同で、イタリアの都市部(トリノ、ミラノ、ローマ等を予定)においてアンケート調査を実施予定である。
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Causes of Carryover |
出産・育児のため、当初計画していた通りには研究時間をとることができなかった。そのため、1年間、研究期間を延長した。また、新たに国際共同研究強化(A)に採択されたため、2つの研究を連動させ、次年度は都市緑地・都市農地の利用と健康及び食料不安との関係についての国際比較のための調査を実施する。
上記の理由により、次年度使用額が発生した。
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Research Products
(4 results)