2022 Fiscal Year Research-status Report
高い生物多様性を内包する里山環境の変遷を追う:指標種ノスリを用いた検証と予測
Project/Area Number |
19K15869
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Research Institution | Kitakyushu Museum of Natural History and Human History |
Principal Investigator |
中原 亨 北九州市立自然史・歴史博物館, 自然史課, 学芸員 (10823221)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ノスリ / 生物多様性 / アンブレラ種 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、里山のような二次的自然環境で越冬するアンブレラ種の猛禽類ノスリを指標種として、九州(福岡県・長崎県・宮崎県)でノスリが越冬なわばりを形成し多くの餌生物を採食する環境をもとに、冬季に高い生物多様性を内包すると思われる環境を抽出し、そうした環境が過去から将来にかけてどのように変遷していくかを明らかにすることを目標としたものである。 前年度までにフィールドでのデータ取得はほぼ終了していたので、2022年度はデスクワークに専念した。2021年度に引き続き、ノスリ生息環境に関する追加解析を実施した。福岡県で越冬するノスリのデータを追加しMaxentモデルを用いた解析を行ったが、昨年度の結果と大きな違いは生じず、生息適地は山際の農耕地に広がっているという同様の結果を得ることができた。しかし、昨年度からの懸案だった論文執筆が進まず、2022年度も投稿に至らなかった。2023年度は、今までの解析結果をもとに論文を執筆し投稿することを目標とする。 一方で、研究を進める中で副次的に取得できたノスリの渡り経路のデータに関して、原著論文を執筆し、出版にこぎつけることができた。この論文では、西日本ではノスリ2亜種が同所的に越冬していること、そしてそれらの渡り経路と繁殖域は日本海を挟んで大きく分かれていることなどを明らかにした。 一連の研究成果については、学会発表のほか、一般向けのサイエンスカフェでも紹介することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ノスリに装着したGPSロガーは越冬期以外も位置情報を送ってくるため、副次的にノスリの渡りも追跡することができた。これらのデータを活用し、ノスリの渡り経路と亜種の分化に関する原著論文を執筆し、出版にこぎつけることができた。 一方で、2022年度までに予定していたノスリの行動圏の生物多様性調査結果の整理・ノスリの生息環境解析はほぼ完了したものの、論文の執筆が遅れ、投稿には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度投稿に至らなかったノスリの越冬環境選択に関する論文を執筆する。
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Causes of Carryover |
英文校閲費用として使用する予定だったが、2022年度も執筆が遅れたため執行に至らなかった。2023年度も論文を執筆した際の英文校閲費として使用予定。
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Research Products
(2 results)