2020 Fiscal Year Research-status Report
Large-scale prediction of organic matter decomposition potential using machine learning and field decomposition data of tea-bag and chotsticks
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19K15879
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
森 大喜 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90749095)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ティーバッグ / ランダムフォレスト / 有機物分解 / 炭素循環 |
Outline of Annual Research Achievements |
ランダムフォレストモデル作成のため, 熊本県, 京都府, 滋賀県においてティーバッグ分解データを取得した。また, 室内培養実験を行い, ティーバッグの分解速度に対する土壌水分の影響を明らかにした。加えて, ティーバッグの分解速度に対する溶脱の寄与についても検討した。これらの実験は, ランダムフォレストモデルが完成した際にその妥当性を検証するための基礎情報を取得するために行われた。緑茶の分解に対する溶脱の寄与は, ルイボス茶や文献値と比較して非常に高かった。土壌含水量が大きくなるにつれ, ティーバッグ分解速度も大きくなったが, 土壌含水量が最大のものでは分解の抑制が観察された。現在ティーバッグ分解速度を予測するモデルは, 水分が増加すれば分解速度は増加を続けるものになっているが, 本知見によってこのモデルの構造を改良できると期待される。加えて本年度は, ティーバッグのメッシュサイズが分解速度に及ぼす影響についても検討した。これは, ティーバッグのメーカーであるリプトン社によって, ティーバッグ法に用いられる緑茶とルイボス茶のメッシュサイズが変更されてしまったためである(本研究開始時には既に変更されていた)。リターバッグのメッシュサイズは分解速度に大きく影響することが知られているため, これまで他の研究グループによって公表されているティーバッグ分解データ(サイズ変更前)を本研究で取得したデータ(サイズ変更後)と合わせて解析することは困難と考えられた。しかし, 今年度行った実験では, 予想に反して, 緑茶の分解速度はメッシュサイズの違いによる影響を受けなかった。また, ルイボス茶の分解速度は, 細かいメッシュサイズで大きくなったものの, その影響は非常に小さかった。現在追加的な実験を多点で行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響でフィールド調査が遅れている。1年目に設置したサンプルの回収ができなかった地点も存在し、広域評価のためのデータ取得が大きく遅れている。一方, 培養実験等を行うことによって, 当初の計画を超えた成果を産み出すこともできた。そのため、全体として「(3)やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
ティーバッグおよび割りばしの分解試験を継続するとともに, 全国のリターおよび材の分解速度を広域推定する。また, 土壌養分がティーバッグ分解速度に及ぼす影響について明らかにする。更に, ティーバッグのメッシュサイズが分解速度に及ぼす影響について, 追加実験を行って検討を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響でフィールド調査を行うことが困難であったため。
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