2022 Fiscal Year Annual Research Report
Large-scale prediction of organic matter decomposition potential using machine learning and field decomposition data of tea-bag and chotsticks
Project/Area Number |
19K15879
|
Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
森 大喜 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90749095)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ティーバッグインデックス / 有機物分解 / 気候変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
気候変動による土壌有機物分解の影響を評価するため、リター分解の標準法であるティーバッグ法の精度を検証したところ、特に低温環境においてティーバッグ法の予測精度が著しく低下すること、時系列データに漸近線モデルをフィッティングする修正法によって予測精度が大きく改善することが明らかになり、これはティーバッグ法の分解速度予測精度向上および同手法による気候変動の土壌有機物分解に対する影響評価の堅牢性向上に貢献する。 ティーバッグ法で求めたリター分解曲線と時系列データに漸近線モデルをフィッティングする修正法によって求めた曲線を比較した。修正法の予測精度は、ティーバッグ法および指数モデル法と比較して高かった。修正法はティーバッグ分解データをよく再現できたが、ティーバッグ法で求めた分解曲線は、特に低温環境においてデータから大きく乖離した。これは、ティーバッグ法の計算過程で用いられる安定化係数にバイアスが掛かっていたためであることが明らかになった。さらに、ティーバッグ法が分解速度の相対比較のために有益であるかを明らかにするため、ティーバッグ法で求めた分解速度定数と修正法によって求めた分解速度定数を18の異なる環境下で比較した。両者の間に正の相関があればティーバッグ法による分解速度の相対比較は可能ということになるが、実際には正の相関は確認されなかった。これらの結果から、ティーバッグを用いてリター分解速度予測を正確に行うためには、漸近線モデルと時系列データを組み合わせた修正法が必須であることを提案した。本研究で提案した修正法は、ティーバッグ分解データを5点取得すれば十分に実行可能であり、ティーバッグ法の簡便性を大きくは損なわなかった。
|