2019 Fiscal Year Research-status Report
環境ダイレクトに選抜された植物分解酸化還元酵素の解析
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19K15881
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
堀 千明 北海道大学, 工学研究院, 助教 (50722948)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | バイオマス / 木材分解酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物細胞壁の主要な高分子成分(セルロース・ヘミセルロース・リグニン)の分解酵素については、腐朽木材から単離された菌を試験管内で培養・単離・解析することで検証されてきた。最近、申請者は環境条件下での木材腐朽で実際に働いている酵素を初めて網羅的に同定した(Hori et al. AEM 80(20) 2018. Spotlight researchに選択された)。その結果、様々な微生物種由来の1000個以上の遺伝子が、木材分解に関わっていることが予想された。これら遺伝子資源はほとんどが解析されていない配列であった。また、それらの中には、相乗的に働くことが知られているセルラーゼ・ヘミセルラーゼが高発現していたことから、生物相互作用により選抜された酵素は基質に適応した分解を達成していると考えられた。そこで本研究では、これら自然環境下での木材分解酵素を対象として、酵素を生化学的に解析し、多様な微生物が関与する分解酵素のネットワークを明らかにすることを目標とする。 今年度は、自然環境下において複数の地点での腐朽木材を回収し、微生物叢や酵素配列および発現量を網羅的に解析する、メタオミクス解析を行った。また、得られた情報の中からコントロール遺伝子の選択を行い、遺伝子合成を行った。それら成果を元に、論文発表6件、学会発表15件(うち招待講演4件、国際学会8件)を行なった。 今後は、取得されたメタオミクス解析のデータをさらに解析することで、微生物種や分解酵素について明らかにしていく予定である。また、コントロール遺伝子について酵素生産・酵素解析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、自然環境下において複数の地点での腐朽木材を回収し、微生物叢や酵素配列および発現量を網羅的に解析する、メタオミクス解析を行った。また、得られた情報の中からコントロール遺伝子の選択を行い、遺伝子合成を行った。それら成果を元に、論文発表6件、学会発表15件(うち招待講演4件、国際学会8件)を行なった。したがって、おおむね順調に推進していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、取得されたメタオミクス解析のデータをさらに解析することで、微生物種や分解酵素について明らかにしていく予定である。また、コントロール遺伝子について酵素生産・酵素解析していく予定である。
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Causes of Carryover |
年度末にコロナ感染防止などによって学会出張などをキャンセルしたため。
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Research Products
(22 results)