2020 Fiscal Year Research-status Report
基質表面加工による養殖カキへの標識付与に関する研究
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19K15903
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Research Institution | Hokkaido Research Organization |
Principal Investigator |
川崎 琢真 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 水産研究本部 栽培水産試験場, 主査 (60604577)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | カキ / トレーサビリティ / ブランド / 着底基質 / 標識 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年5月14日に奥尻町に訪問し、2019年度に作製してイワガキの稚貝を付着させた基質を養殖筏に垂下した。これらの基質に付着したカキは、海中で十分な大きさに成長しているとの連絡を受けているが、奥尻町でコロナウイルスのクラスターが発生したことなどから調査が延期になっている。 研究項目①および③に関連して、焼成済み石炭灰レンガ表面にサンドブラストによる凹型刻印の形成を行った。3Dプリンタにより文字の抜き型を設計し、レンガに被覆した状態でサンドブラストを2、4および6回当てるパターンで刻印を施した結果、それぞれ形成された文字の平均深さが1.6、2.3および2.3mmとなり、4回以上のサンドブラストでは刻印の深さは深くならないことが明らかになった。 研究項目②および④に関連して、前述のサンドブラストを施した石炭灰レンガを用いて、凹型文字刻印部のみをセメントで埋めたものおよびさらにその上にセメントで一様な塗装を施してレンガ全面が覆われた基質(計9パターン各3枚)を作製した。また、無処理の石炭灰レンガ板表面に、セメントで高さ1、1.5および2mmの凸型の文字を形成した基質(3パターン各3枚)を作製した。さらに、研究項目②および⑤に関連して、3Dプリンタを用いて、表面にアルファベット、漢字、ロゴを凹凸それぞれのパターンで形成した基質を6パターン各3枚作製し、樹脂表面がすべて覆われるようにカラーセメントで被覆した基質を作製した。これらの18パターン計54枚の基質にはイワガキの種苗を付着させており、2021年5月以降に奥尻町に運搬して海中で育成する予定である。 このほか、セメント単体や、焼成セラミックス3Dプリント(委託)での基質の成形を試みたが、いずれも強度が弱く実用性に乏しいことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年は、コロナウイルスのクラスターが奥尻町で発生したことで、育成したカキへの文様の転写結果の確認のために訪問することができず、予定よりも研究の進捗が遅れている。また、同じくコロナウイルスの流行により、当初プレス加工により基質作製の検討を行う予定であった樹脂会社に衛生管理製品の大量注文が来たことで多忙になり、試験用資材の試作にも遅れが発生している。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度も継続してコロナウイルスの影響で研究の遂行に影響が出る可能性が考えられるが、昨年実施できなかった内容を含め、可能な限り計画どうりに進める予定である。
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