2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K15909
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小南 友里 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任助教 (30803572)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 飢餓適応 / ペプチドーム / メタボローム / プロテオーム |
Outline of Annual Research Achievements |
飢餓時の魚類骨格筋では「タンパク質分解が亢進するが,タンパク質はあまり減少しない」という矛盾した現象が観察される.本研究では,飢餓時の魚類骨格筋において代謝リプログラミングのためのタンパク質分解が亢進するという仮説について,メタボローム,プロテオーム,ペプチドームを統合して検証する.すなわち,飢餓適応過程の魚類骨格筋から経時的に取得したメタボローム,プロテオーム,ペプチドームから各酵素の合成・分解バランスの変動に対する各代謝化合物フローの変動の寄与度を評価し,タンパク質分解と代謝リプログラミングの関係を明示する.既往研究の多くが飢餓時のタンパク質分解を介したエネルギー産生を検証しているのに対し,本研究は飢餓時のタンパク質分解が担うエネルギー産生以外の役割を明示する.
昨年度および今年度はカンパチ Seriola dumeriliを用いた絶食試験を行なった.経時的にサンプリングを行ない,体長,体重,肝重量を測定し,筋組織を採取した.hepato-somatic indexは絶食開始3日間で顕著に減少したが,condition factorは試験期間全体を通して大きな変動はなかった.筋組織のペプチドーム解析の結果,20種のタンパク質について分解ペプチドを定量できた.また,メタボロームおよびプロテオームについても分析を実施し,データを得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,ペプチドーム,プロテオーム,メタボロームの分析を実施した.
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Strategy for Future Research Activity |
得られたデータについて数理モデルを用いた解析を行う.ペプチドームについては分析条件を変更し同定数の向上を試みる.
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Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大の影響によって研究活動が制限されたため,標本サイズを減らすなどして最小限の実験を行った.今年度は引き続き実験を行い,データの拡充を図る.ただし,今年度もCOVID-19感染拡大による研究活動の制限が続くと予想されるため,新たにサンプル調製キットなどを導入して実験時間の短縮を試みる.
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