2021 Fiscal Year Research-status Report
毒結合タンパク質複合体の解析によるトラフグ毒輸送機構の解明
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19K15915
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
辰野 竜平 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産大学校, 講師 (70771872)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | トラフグ / 成長 / 成熟 / 抗体 / フグ毒結合タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
トラフグ属魚類は雌と雄で主要な毒蓄積器官が異なることが知られている。また、同属魚類に属するトラフグは成長、成熟段階によっても、主要な毒蓄積器官が変動する。そのため、各段階の個体を雌雄別に手に入れ実験に用いることが望ましい。本年度は、自然海域から漁獲した雌個体(2,200-2,600 g)および雄個体(2,100-2,350 g)を入手し、これらの血液を採取した。採取した血液は遠心分離を行い、その後得られた上清を-30℃で保存した。加えて、成長段階の異なるトラフグの養殖個体からも血液を採取し、上述した個体と同様の操作で上清を得て-30℃で保存した。 トラフグ属魚類における主要な毒蓄積器官の相違は、前述の条件に加えて種による差異も存在する。そのため、トラフグ属魚類に属する他種(マフグ、ヒガンフグ、アカメフグ、ヒガンフグ、ナシフグ、コモンフグ)を入手し、トラフグと同様の操作で血液から遠心分離後の上清を得て-30℃で保存した。これらのフグはトラフグでは毒が蓄積されない皮や精巣にも毒を蓄積するため、トラフグの対照として適した種である。毒の蓄積量については、摘出した皮、筋肉、肝臓、生殖腺由来の抽出液を調製し、当該液に含まれる毒の濃度を蛍光検出器を備えた高速液体クロマトグラフにて測定した。 取得したフグ毒結合タンパク質PSTBPの抗原を基に、抗体の作製を外注した。外注先から抗血清が届いたため、あとは当該溶液を精製することでウエスタンブロット法に使用できる抗体の準備が済む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルスの感染防御に努めつつ、所属機関における講義、学生実験、実習、学位に関わる研究などの活動に取り組む必要があり、その対応により未だに多大な時間を費やしている。年度末に抗血清の作製が済んだため、次年度は本格的に実験に取り組めるものと期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに成長や成熟段階が異なるトラフグの血漿を入手しているため、これらを試料としてPSTBP抗体を用いたウエスタンブロット法を実施する予定である。また、対照として入手したトラフグ属魚類の他種の血漿についても同様の実験に供する予定である。 所属機関において職員および学生の新規感染者がしばしば発生しているため、これまで以上に感染防御に努めつつ、研究遂行に取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
機器の故障により保有していたフグ毒結合タンパク質の抗体が使用できなくなり、主要な実験が実施できていない。2021年度にはその問題点を解消するために抗体作製に取り組む予定であったが、コロナウイルスの影響により抗血清の入手が年度末になってしまった。次年度使用額については、前述した抗血清の精製、およびウエスタンブロット法を用いた解析に該当する金額である。また、毒の濃度を測定するための分析関連経費も含まれる。
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