2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K15916
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水木 麻人 東北大学, 農学研究科, 助教 (20772502)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 機能性表示食品 / 健康食品 / ヘルスクレーム / 消費者行動 / 選択実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、消費者の健康増進に貢献する機能性表示食品制度を設計するために、機能性表示食品に対する規制と態度が機能性表示食品の消費者行動に与える影響を明らかにすることを目的とする。 今年度は、日本とEUの機能性食品に関する規制の違いと機能性食品に対する消費者選好に関する文献調査を行った。また、オランダ・ワーゲニンゲン大学に短期滞在し、機能性食品のマーケティングに関連するワークショップや研究集会に参加し、情報収集を行った。調査結果より、EUにおける機能性食品制度は、消費者に情報を十分に提示することにより、消費者自らが食品を選択するというInformed Choiceの考えに沿って設計されている点が日本と大きく異なることが明らかになった。また、日本の機能性表示食品制度が届出型である一方、EUは上記の制度設計に基づいて、機能性食品は個別審査型と規制が厳しい状況にある。そして、機能性食品の消費者選好に関連する既往研究の整理より、機能性食品の消費者行動の決定因子として、個人的要因、心理的要因、文化的及び社会的要因、機能性食品に関連する要因が影響することがわかった。 次年度は、これらの結果を踏まえてweb調査を実施し、入手したデータを利用して実証分析を行う。具体的には、機能性表示食品のヘルスクレームに対する消費者の態度が「肯定」「否定」「中立」の3つのカテゴリーに分類されると仮定し、各カテゴリーの機能性表示食品に対する消費者行動の違いを明らかにするために、web調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関連する文献整理と食品制度の調査は、予定通り進めることができた。消費者を対象としたweb調査の一部を実施することができなかったため、計画よりはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、研究計画の内容に沿って、機能性表示食品に対する規制が消費者行動に与える影響と、機能性表示食品のヘルスクレームに対する態度が消費者行動に与える影響について、消費者を対象としたweb調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は、当初予定していた海外でのヒアリング調査とweb調査の一部を実施することができなかったため、その残額を繰り越した。次年度は、早期にこれらの調査を実施し、計画通りに助成金を使用する予定である。
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