2022 Fiscal Year Research-status Report
Motivation for nutritional improvement among consumers in rural Madagascar
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19K15922
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
白鳥 佐紀子 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 情報広報室, 主任研究員 (60746486)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 栄養改善 / 消費者行動 / マダガスカル / 食生活 / モチベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
マダガスカル国ではコメに偏った食事に由来した栄養バランスの不均衡がみられ、食生活の変化も殆どみられない。本研究では、マダガスカルで食生活の変化が起こりにくい要因を消費者行動面から分析し、栄養改善に実効性のある政策立案に貢献することを目的とする。研究代表者は、本研究に先立って開始した、マダガスカル中央高地農村での600世帯を対象とした定期的な家計調査を令和4年度も継続しており、本研究はこのパネルデータを活用し、さらに補足調査を行うことで実施している。 令和4(2022)年度は本研究の4年目にあたる。1年目は食事パターン・栄養状態・嗜好等の現状を把握した。2年目からはコロナ禍に見舞われ現地調査を延期したが、家計調査は年度中に再開できたため、家計調査に質問を追加することで対応した。3年目は、栄養改善のモチベーションを数量的に分析するための経済学実験の質問を新たに追加した。そして4年目にようやく、コロナ禍で延期していた現地調査に赴くことができた。令和4年6-7月、マダガスカル国立栄養局の協力のもと、食品選択の理由や栄養改善対策に対する消費者受容性などを知るための質的調査としてフォーカスグループディスカッションを女性のみ、男女混合のグループで各3回ずつ行った。テープ起こし、現地語からの翻訳までを終え、内容分析にとりかかるところである。 また令和4年度中には、本研究と関連する家計調査のデータより、コメの生産性向上が栄養改善に量(カロリー供給)・質(栄養バランス)の両面において貢献するとした論文と、水稲の収穫前と収穫後では食事の内容が変化し栄養供給量も異なるという論文を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍で延期していた現地での質的調査を2022年度に実施することができた。当初の予定からずれこむ形にはなったが、期間を延長したことで対応できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最後の年になるため、これまでの調査からわかったことを論文としてまとめ、成果を出すことに集中したい。
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Causes of Carryover |
実施予定であった現地調査分が繰り越されていたのが令和4年度にはようやく実施できたが、別プロジェクトと組み合わせての出張となったため余剰が生じた。次年度、助手雇用の費用と英文校閲、オープンアクセス論文投稿料に充てる予定である。
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