田園回帰時代における東北地方の移住実績の地域差の発生要因の解明

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K15925
• Research Institution: Yamagata University
• Principal Investigator: 桑原 良樹 山形大学, 農学部, 准教授 (10821415)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 田園回帰 / 移住・定住 / 地域おこし協力隊 / 東北地方

Outline of Annual Research Achievements

本研究では、東北地方における田園回帰の推進に向けて、東北地方における「農山村地域の再生をミッションとして与えられている移住者」（地域おこし協力隊員）とそうでない移住者を対象に、それぞれにおける定着や移住後の地域活動への参画実態といった移住実績に地域差が生じる要因の解明を行うことを目的としている。そのため、2021年度は新型コロナウィルスの影響により大幅に調査・研究計画を修正し、以下の調査を実施した。
（１）山形県における地域おこし協力隊を実施する自治体の担当職員を対象として、自治体での採用、活動体制、定住支援の方法と倍率・途中退任率・定住率に関するアンケート調査を実施し、具体的な採用・活動支援・定住支援の方法と倍率・途中退任率・定住率との関係を分析し、自治体での協力隊運用の改善策を検討した。また、協力隊員と行政の関係性に着目した協力隊員へのヒアリング調査を2022年度に実施するため、上記のアンケート調査の結果を踏まえ、調査対象自治体の検討を行った。
（２）「農山村地域の再生をミッションとして与えられていない移住者」における定着や移住後の地域活動への参画実態に地域差が生じる要因解明を関しては、新型コロナウィルスの流行に伴い、事前に検討していた調査内容を変更し、地域活動への参画状況（特にSocial networking serviceの活用）に着目し、2地区を対象にヒアリング調査を実施し、その実態と差の要因の分析を行った。また、2022年度には他地域においても地域活動への参画状況に関するヒアリング調査を実施するため、調査候補地区との連絡・調整を行った。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウィルスの拡大により、2020年度より引き続き、予定していた調査依頼や調査実施が困難であった。そのため、地域おこし協力隊員を対象とした調査は自治体担当者へのアンケート調査を基軸としたものとなった。また、協力隊ではない移住者を対象とした調査は、2021年度においても多地域での調査は不可能と判断し、2地区でのヒアリング調査による地域活動への参画状況とその差の要因の分析を行った。上記の変更による
以上の点から、2021年度の研究については、新型コロナウィルスの拡大により方針転換しつつも進展させているため、やや遅れていると判断する。そのため、補助事業期間を延長し、2022年度においても取り組むことで、研究課題の達成を目指す。

Strategy for Future Research Activity

新型コロナウィルスの拡大により、2020年度・2021年度ともに、予定していた調査依頼や調査実施が困難であった。そのため、調査対象地や調査・分析方法を方針転換しつつ進展させている。そのため、補助事業期間を延長し、2022年度においても取り組むことで、研究課題の達成を目指す。

Causes of Carryover

新型コロナウィルスの拡大により2021年度も調査計画を変更し、現地調査を大幅に減少させたため、また新型コロナウィルスの拡大の影響により予定していた学会参加がオンライン開催となったため、大幅な旅費の減額となった。また、調査スケジュールが遅れたため、研究成果の報告も遅れており、その他経費も少額となった。
2022年度は、変更した調査計画に基づき調査を実施するとともに、予定していた学会参加もオフライン開催となることが予想されるため、旅費として執行を予定している。また、昨年度実施したアンケート調査の分析が遅れているため、2022年度は分析補助者を雇用し、研究成果の公表に向けて取り組む予定である。