2019 Fiscal Year Research-status Report
Isolation of flavonoid-degrading bacteria aimed at development of novel synbiotics for ruminants
| Project/Area Number |
19K15960
|
|---|
| Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
|---|
Principal Investigator |
福間 直希 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (90793977)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
| Keywords | ウシ / ルーメン / 細菌 / フラボノイド / 分離培養 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、反芻胃内のフラボノイド分解性新規細菌を分離培養することである。フラボノイドは反芻胃内微生物により速やかに分解されることが知られているが、フラボノイド分解能を有すると報告された反芻胃内微生物種はごくわずかである。申請者はこれまでにフラボノイド含有素材により未分類のルーメン細菌種の存在比が高まることを明らかにしている。本研究では、古典的な嫌気的集積培養法と最先端の遺伝子解析技術の両方を用いることで、フラボノイド分解に貢献する細菌種を特定し、新規細菌種の分離培養を試みる。 分離株の機能性を評価し、反芻家畜を対象とした「新規シンバイオティクス」の開発に向けた候補株の特徴付けおよび選定を行う。
2019年度は、新たに導入した嫌気培養装置を用いて、フラボノイドを基質とする培地を作製し、嫌気的集積培養をおこなった。培養物からDNAを抽出し、次世代シークエンサーによる16S rRNAの塩基配列解析を通して、細菌分類群の推定を行い、フラボノイドにより存在密度が高まる細菌種を特定した。培養のイノキュラムとして用いたルーメン液中の存在密度と比較し、特に密度が高まり、かつ既知菌との塩基配列相同性が97%未満の菌群を、次年度の研究の標的細菌群とした。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年2月頃からの新型コロナウイルス感染拡大に伴い、研究活動を中断せざるを得なくなり、研究が停滞した。
|
| Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、これまでに特定した標的細菌群の分離培養をおこなう。まず、特定された標的細菌の遺伝情報を収集し、該当細菌の特異的プライマーを設計する。本プライマーを以降の分離培養ステップでの標的細菌のスクリーニングに用いる。上記集積培養と作成したプライマーを併用し、フラボノイド分解細菌群からの標的細菌の効率的な分離培養を行う。分離株の16S rRNA塩基配列を解読し、細菌種の同定を行う。各種の精製フラボノイドを唯一の炭素源とする培地を作成し、得られた分離株を純粋培養することで、各菌株のフラボノイド分解活性を測定する。分解活性はフラボノイドの濃度測定および菌株の増殖モニタリングにより評価する。
|
| Causes of Carryover |
研究の遅れにより次年度使用額が生じた。遅れた実験ついては、2020年度に実施する予定である。
|
Research Products
(3 results)
