2019 Fiscal Year Research-status Report
養豚生産記録のビッグデータを活用した異常事態の早期検出システムの開発
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19K15964
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
佐々木 羊介 宮崎大学, 農学部, 准教授 (60704674)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 養豚 / ビッグデータ / 疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「養豚生産記録のビッグデータを活用して、異常事態を早期に検出するシステムを開発すること」を目的として実施している。当該年度では、宮崎県内に所在する養豚生産農場を対象として、分娩成績・交配成績・事故や死亡の発生に関する情報を収集した。分娩成績では、一腹当たり総産子数、一腹当たり生存産子数、一腹当たり死産子豚数、一腹当たり離乳子豚数を収集した。交配成績では、離乳後初回発情日数、離乳後受胎日数、分娩率を収集した。事故や死亡の発生では、哺乳中子豚死亡率、母豚淘汰率、母豚死亡率を収集した。収集した各種データの精査方法を確立するために、様々な条件を用いて、各種データの除外基準を検討した。検討した方法として、パーセンタイルを用いる方法、2標準偏差を用いる方法、3標準偏差を用いる方法、過去の論文を参考にする方法などを実施し、分娩成績・交配成績・事故や死亡の発生に関する各種項目において、それぞれ最適な除外基準を設定し、データの精査方法を隔離した。異常値の除去を行った後、各種データを母豚個体ベースにて紐付けし、疫学データベースを構築した。この疫学データベースを活用して、月毎・四半期毎・半年毎・一年毎における分娩成績・交配成績・事故や死亡の発生の時系列解析を行い、各農場における経時的な成績の変化を定量化した。この結果を用いて、「疾病発生時や生産性が大きく低下した時期」を探査し、その時期を異常事態と定義付けした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度では、予備調査として、宮崎県内に所在する複数の養豚生産農場を対象として、分娩成績・交配成績・事故や死亡の発生に関する情報を収集し、収集したデータの精査方法を確立すること、疾病発生や生産性の大幅な低下などの異常事態を定義づけすることを予定していた。現在までに、上記予定を執行できており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の目標として、当該年度に構築した疫学データベースを活用して、異常事態の発生に寄与する特徴量の抽出を行う。また、得られた特徴量を用いて、異常事態を検出するためのアルゴリズムの開発を行う。これらの作業が順調に進んだ場合、予備調査から本調査に移行し、対象を全国の農場に広げて、解析を進めていく。
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Research Products
(1 results)