2020 Fiscal Year Annual Research Report
免疫チェックポイント分子などに対するエフェクター活性を有するイヌ用抗体医薬の創出
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19K15969
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
前川 直也 北海道大学, 獣医学研究院, 特任助教 (70829035)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | イヌ / 抗体薬 / 免疫チェックポイント / がん免疫療法 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
ヒト医療ではがんに対する新規治療薬の開発が目覚ましく、特に分子標的薬や抗体医薬の実用化が進められている。イヌの腫瘍に対しても同様の作用機序を有する薬剤が有効である可能性があるが、いまだそのような研究動向は少ない。そこで本研究では、イヌの難治性腫瘍に対する新規治療法の樹立を最終目標とし、ADCC活性やCDC活性などのエフェクター機能を有するイヌ用抗体医薬を作出することとした。前年度までに同活性を付与したイヌ用抗体候補薬を作製していたが、2020年度はさらに同様の手法を用いて別の標的因子に対するイヌ用抗体薬候補も作出した。イヌへの投与試験に向けた準備として、当該抗体を産生する安定発現細胞の樹立を行い、高発現細胞クローンを選抜・培養することにより、前者の抗体薬候補については十分な量の精製抗体を得た。そこで副作用を検討する目的で2頭にこの抗体薬候補を反復投与したところ、安全性に大きな問題はないと考えられた。現在、有害事象についての詳細な解析が進行中である。後者の抗体薬候補については安定発現細胞の樹立がほぼ終了し、今後安全性の検討を行っていくことができる状況である。本研究によって、遺伝子工学技術によりADCC活性やCDC活性などのエフェクター機能を付与したイヌ用抗体の作製が可能であることが実証され、その臨床応用に向けた道筋を開拓することができたと考えられる。本研究はイヌに対する抗体医薬創出のモデルケースとなり、当該分野の発展に寄与するものと考えられる。
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